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フィリピン英会話ネット
2009年07月31日

フィリピンの失業率

失業率悪化5・4%…求人最悪の0・43倍

総務省の発表によると、日本の失業率は6月も悪化し、5.4%となったとのことだ。6月の就業者数は6300万人と1年前に比べ151万人減少、完全失業者数は348万人と1年前に比べ83万人増加。完全失業者数は8か月連続の増加となった。

昨年(2008年)のリーマン・ショック発生以前の日本の失業率は4%だったから、それから1.4%上昇したことになる。たったの1.4%と考える方もいるかもしれないが、日本では失業率が1%上昇するだけで、失業者が約60万人生まれる。例えば、身近に失業者が一人いて、その人を就業させるためには大変な努力が必要となるが、それが、たった1%の失業率の増加で60万倍の努力が必要となるのである。失業率1%の違いというのは重いのだ。

以前、与謝野財務・金融・経済財政担当相は「デフレがもたらす失業率の増大、物価の下落、経済の収縮、われわれとしてはそういう状態、経済の底抜け状態を絶対に防ぐ、デフレというものは到来しないと確信しながら補正予算を作成した」と発言していたが、それ以降も失業率は上昇し、物価指数は下落を続けている。これをデフレと呼ばずして何をデフレと呼ぶのだろう?

ちなみにフィリピンの失業率は政府発表で7.5%(4月)、民間調査機関(SWS)発表で34.2%(2月)である。SWS発表の統計が異常に高い値を示しているのだが、これはフィリピン各地での1200人を対象とした聞き取り調査の結果だということなので、統計的には疑問のある数値だ。ここでは、少なくともフィリピンの失業率は日本よりも高いということが確認できれば良い。

しかし、フィリピンの失業は日本ほど深刻ではない。それは、皆が当たり前に失業しているからだ。フィリピンの場合、失業しても、ごく普通に、親兄弟、親戚縁者のもとに同居し、家事や家業を手伝ってしのいでいる。また、一旦失業しても、企業の側が雇用を拡大すれば、簡単に再就職することができる。つまり、雇用の流動性も高いと言える。

一方、失業は日本にとってのほうが深刻だ。なぜなら、一般的に、日本では失業したからといって、親兄弟、親戚を頼ることができないうえに、一度失業すると、次の仕事を見つけるハードルは極端に高くなる。

日本はソーシャル・セキュリティがそれなりに発達しているから、失業しても失業保険が一定期間支払われたり、各自、保険に加入するなりしてなんとかしのいでいる感がある。一方、フィリピンは、そもそもそうしたセーフティーネットが発達していないので、全ては親兄弟、親戚という血縁によるセーフティーネットを確保し、それが機能している。

フィリピンで失業が深刻でないというのは、政府や社会がそもそも信頼できないことの裏返しなのだ。
posted by philnews at 18:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2009年07月25日

フィリピン 新型インフルエンザ 最新情報


新型インフルエンザの日本人の患者数の累計が7月24日現在で5000人を超えた。日本の統計は毎日更新されており、ここ数日で患者数は加速度的に増加しているようである。

一方、その後のフィリピンでの新型インフルエンザについての情報だが、保健省のH1N1最新情報のサイトでも7月6日以降更新が行われていない。新規患者数については6月26日が最終更新だ。そこで、今回は、それ以降に新聞で報道された記事の中からいくつかをまとめてみた。

7月9日 4 Cordillera cops tested positive for H1N1
コルディレラ地方で4人の警官が陽性であることが確認された。

7月10日 (UPDATE) Regine Velasquez has A(H1N1)
フィリピンのトップ歌手、レジーン・ベラスケス(Regine Velasquez)が新型インフルエンザ(H1N1)に罹患していたことがわかった。レジーンは6月26日にインフルエンザ症状を発症し、すでに回復している。フィリピンの芸能人が新型インフルエンザと確認されたのは初めて。

7月12日 Filipino maid with H1N1 critical in HK
香港へ家政婦として出稼ぎに行ったフィリピン人女性が、翌日、新型インフルエンザの症状を発症、深刻な状態にあることがわかった。女性は6月28日に香港へ到着したが、翌日からインフルエンザ様の症状を示し、H1N1陽性であることが確認された。これまで香港で確認されたH1N1患者の中では最も重い症状を示している。

7月16日 DoH focuses on H1N1 containment in E. Visayas
ビサヤ地方での感染が拡大し、これまでに地域の20の小学校・高校を中心に121名の患者が発生している。この中にはタクロバン市長の娘も含まれる。

7月17日 Teacher with H1N1dies
マニラ首都圏(モンテルパ市)の公立学校教員が新型インフルエンザで死亡した。これで新型インフルエンザによるフィリピンでの死者数は4人となった。この教員には他の病気の罹患歴がないため、これまでの3人(高血圧、喘息、肺気腫の罹患歴があった)と違い、新型インフルエンザのみでの初の死者だと考えられている。

7月23日 6 Albay students test positive for H1N1
アルバイ州レガスピ市の私立高校(St. Agnes Academy)で6人の生徒が新型インフルエンザだと確認された。同校はアルバイ州の中で最も由緒ある私立学校で、3000人の学生が学んでいる。アルバイ州ではこれまでに28人の陽性患者が確認されている。

7月23日 H1N1 in Mandaue jail confirmed
セブ州マンダウエ市の刑務所で6人の囚人が新型インフルエンザだと確認された。同刑務所では665人の囚人のうち177人がインフルエンザ様の症状を示し、うち一人は死亡している。

7月24日 Biñan school suspends classes due to H1N1
ラグナ州ビニャン町の学校で新型インフルエンザの患者が発生したことから、10日間の学校閉鎖を行う。ラグナ州ではこれまでに118人の患者が発生している。

このように新聞記事を見る限り、フィリピンでの新型インフルエンザは収束する気配を見せず、フィリピン全域へと感染が拡大していることが見て取れる。しかし、WHOへ提出されたフィリピンの新型インフルエンザ患者数の統計も7月1日の患者数1709人、死亡者数1人というまま更新されておらず、現在の実態は不明である。
2009年07月17日

フィリピンの生産性

フィリピンの貧困の原因は、生産力が低いことである。とはいっても、本来、これは何も言っていないに等しいほどに自明なことだ。にもかかわらず、経済学以外の貧困研究では、フィリピンの貧困の原因を「構造的搾取」であるとか「貧富の格差」であるとか、生産力以外の部分に求めるほうが主流だ。

生産力はGDPで表現される。GDP(国内総生産)とは「一定期間内に国内で産み出された付加価値の総額」であり、普通、1年間に国内で生み出された付加価値の合計だ。これを人口で割れば一人当たりGDPが出る。

世界銀行の発表によれば、2008年のフィリピンの一人当たりGDPは1,847.40ドル。一方日本の一人当たりGDPは38,442.59ドルだった。つまり、日本人は、フィリピン人の20倍も生産性があるということになる。物価を考慮した購買力平価でみた一人当たりGDPはフィリピンが3,509.87ドル、日本が34,098.78ドルだから、それでも10倍近い開きがある。

もちろんこれには資本、技術、ノウハウ、インフラなど様々な要因があるのだが、それと同時に「労働力の質」が占める要因が大きい。

先日「フィリピン就労日記」の「日系企業とローカル企業」の記事を読ませていただいた。ここにはフィリピンの労働力の質が見事に描かれていた。私はこれを読んで、驚き、怒り、笑い、そして、最後には恐怖さえ感じた。

「労働力の質」とは必ずしも「フィリピン人」のポテンシャルを示しているわけではない。同じ人が、フィリピンで働いているときにはブログにあるような働きぶりなのに、一旦、海外へ出て働くと一日16時間労働も厭わない優秀な労働者へと変身するというのもよく知られている。それがフィリピンが海外へ出稼ぎ労働者を800万人以上送り出せている理由でもある。

つまり、個人の資質だけでなく、フィリピンという社会が個人のもつポテンシャルを台無しにしてしまっている部分が大きいのだろう。とても優秀な人でも、フィリピンで仕事をしたら、銀行へ行くだけで半日つぶれて、アポをとって会いにいったら相手がいない、申請した書類は相手先でいつまでも放置されたままという状況に置かれるのだから、これで「生産性を上げろ」というほうが無理である。

生産性は桶に入れた水の水位みたいなものだから、桶を囲う木片の一片でも低ければ、全体としての生産性はそこまでしか上がらない。

フィリピンの貧困を「奪われたから貧しい」と考えると「奪い返すこと」が正しい戦略となってしまう。その結果、人々の意識と行動は「生産性を高めること」へと向かわない。案外、フィリピンの貧困を構造的搾取で説明する人こそ、この国を貧しいまま置きとどめることに荷担していることを自覚すべきかもしれない。
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2009年07月13日

国民統制は誰も反対できない課題を突破口とする(3)

施政者にとってはできるだけ曖昧で、どうとでも解釈可能な法律を作ることが都合が良い。そして、普段は放っておくが、いざとなったらいつでも誰でも恣意的に逮捕できるようにすること。仮に裁判で無罪判決が出ても、それは問題ではない。一旦、警察に逮捕され、名前が全国メディアで公表されれば、その人の人生は台無しになり、社会的に抹殺することが出来る。これで体制はゆるぎないものとなる。そのための法律が「児童ポルノ法」であり、「人権保護法」である。

政権与党が変わったところで、この仕組みは変わらない。誰でも恣意的に逮捕できる法律さえあれば、どこが政権をとっても、その施政者に都合が良いことに変わりはないからだ。

人身売買の被害者を救済する目的で2005年に行われた法務省の省令改正が逆に本当の人身売買被害者を増加させたということは前回「従軍慰安婦問題と人身売買」で論じた。あのときも、女性の権利保護を掲げたNGOとアメリカおよび日本政府が結託する形で行われた政策変更だった。その際、客観的データの検証は行われていなかった。

今回の児童ポルノ法改正も、客観的データの検証は一切なく、ユニセフ協会という「良心的団体」のアグネス・チャンという外国人が感情論だけを振りかざし「海外では」という外圧を用いて、メディア戦略と国会に対するロビー活動を行った。構造は同じである。

政府と「良心的団体」が結託し、国民の自由を奪う法案を成立させる。こうした状態をファシズムと呼べば「何を昔の話を」とか「心配しすぎ」だと思う人が大半だろう。しかし、ファシズムとはそもそも、施政者が一方的に国民を抑圧するものではない。国民の圧倒的支持に基づいて成立し、一方で国民の自由を奪い、監視の下に置いて、全体として抑圧するものだ。

歴史の教科書に書いてある出来事を記憶する人は多くても、今、目の前で起きていることがそれと同じことなのだと気づく人はあまりにも少ない。
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2009年07月12日

国民統制は誰も反対できない課題を突破口とする(2)

えっ、カキの殻むきが銃刀法違反??…北海道警が注意

例えばこれ、秋葉原の無差別殺人を契機に銃刀法が改正(平成20年12月5日)され、所持が禁止される刃物の種類が拡大されたのだが、そのことで起きた出来事である。カキの殻を剥く刃物が改正銃刀法の新たな規定に抵触するので、その所持は禁止だという判断を「警察が」下した。常識的に考えれば馬鹿げているとしか言えない。カキの殻を剥くという明確な業務上の目的のために長年使用してきて問題が起きていないものを殺傷能力があるという理由で禁じるとは。しかし、重要なのは「法の目的・理念」と関係なく、取締りを行う「警察」の「恣意的判断」で逮捕が可能となるという部分である。

次はこれ

携帯電話のカメラで盗撮男を逮捕

長野県上田市の書店で女性の背中を携帯電話で撮影した男性が迷惑防止条例違反で逮捕された。長野県では「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」が定められており、そこには「卑わいな行為の禁止」という条項がある。具体的には以下のように定められている。

第4条
 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、みだりに、他人を著しくしゆう恥させ又は不安を覚えさせるような仕方で、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
(1) 他人の身体に、直接又は衣服等の上から触れる行為
(2) 衣服等で覆われている他人の身体又は下着をのぞき見し、又は撮影する行為
(3) 前2号に掲げるもののほか、他人に対する卑わいな言動

このうち、盗撮について禁止した条項は第4条(2)項にあたる。しかし、条文を読む限り、違反するのは「衣服等で覆われている身体又は下着」をのぞき見、又は撮影した場合であって、衣服の上から撮影することは禁止されていない。もちろん、相手の許可なく勝手に写真を撮ることが良いか、悪いかという議論は可能だが、そうしたマナー、道徳、肖像権(民事)などの話と、法令違反(刑事)で逮捕されるという話は全く次元が別だ。

基本的に人は法令に違反しない限りは逮捕されることはない。これは日本国憲法の第18条・第31条・第33条・第34条・第36条などで詳細に規定された「身体の自由」である。

この事件の場合、厳密に読むと条例では禁止されていないにも関わらず、「警察による恣意的判断」で逮捕され、本名がメディアで公表されたという事件である。

そして極めつけがこれ



児童ポルノを掲載した海外のWEBページのURLを記載したことで、それを書いた本人(2人)とその掲示板の管理人が逮捕された。

実は、これは重要だ。自分の掲示板に児童ポルノ画像を掲示していなくても、URLを貼った場合、そして、貼られた場合にも罰せられるのだ。ブログを運営していれば、様々なコメント等の書き込みがあると思うが、その中には業者による書き込みも多い。その業者の張ったURLが児童ポルノ画像のあるサイトへの誘導だったとしたら、それだけで逮捕される可能性が現行法でもあるのだ。

これを避けるためには、一つ一つ内容を確認し、不適当な画像へ誘導するURLは削除すればよかった。しかし、法改正で単純所持さえも禁じられるようになれば、そのURLを踏んでみて、内容を確認しただけでも、閲覧履歴と画像はPCに残るからアウトだ。コメントの多い人気ブログの管理人(つまり社会的影響力もある人)なら、ますますその危険性は増す。なにしろ、PCに残る履歴と画像が1枚や2枚ではなく、相当な量になるのだから。「まさかそんなことは」と思うかもしれないが、カキの殻剥きがダメな社会である。逮捕されるかどうかは、あくまでも「警察の恣意的判断」に委ねられる。

つまり、一旦法律が成立したら、あとは施政者の意のままということだ。そして、その際には法の理念・目的は関係なくなっている。(長くなったので、結論は明日)
posted by philnews at 00:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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