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フィリピン英会話ネット
2009年09月27日

台風16号で記録的豪雨 マニラ全域が洪水 フィリピン


9月26日に上陸した台風16号(現地名:Ondoy)はマニラ首都圏に豪雨をもたらした。雨量は降り始めからの6時間で341mm を記録、これは9月一月分の平均月間雨量391.7mmにも匹敵するものだった。これまでマニラで記録された豪雨は1967年6月の24時間で334mmだったので、今回の雨量は40年ぶりに、それを上回る記録的豪雨となった。

豪雨はマニラ各地に洪水をもたらした。特に、リサール州、マリキナ市、ケソン市、モンテルパ市などでの被害が報告されているが、今回の被害は、これらの地域に限られず、マニラ全域にわたる模様。

マニラの主要道路もことごとく冠水し、交通は麻痺した。また多くの地域で、停電、断水等が続出している。

26日、政府のレスキュー活動(国軍)は一部の地域を除いて出動できなかった。基地から災害エリアへと向かう交通手段が寸断されていたため、救援連絡を受けても出動できなかったとのことだ。アロヨ大統領はマニラ首都圏とルソン地域20州に緊急事態宣言を発令した。


筆者の家も一階部分が40cm浸水した。

浸水が始まったのが午前11時頃。

まず、念のために、1階にある電化製品のコンセントを抜き、一つずつ2階へ運び上げた。オーディオ関係のケーブルを外すのに手間取った。

その後、急激(15分くらいのうち)に水位が高くなり、プロパンガスのタンクがプカプカと浮かぶ。「危ないなー」と思いながら、タンクを高い位置へ移動。

12時頃、家の中は最高水位40cmに達した。

その後、雨が弱くなり、水も引いていったのだが、1時間ほどして再び雨が強くなった。今度は、ドアの隙間にビニール袋などを大量に詰めてシーリング。案外、これが役に立ち、水は浸入してきたがさっきほどではない。窓から覗くと、ドアの外は水位が30cmはある。この時点で、家の前の道路は激流となっている。

もう、できることはやったので、2階でテレビをつけながら、ネットで情報収集。まだ、ほとんど情報は発信されていない。それにしても、これだけの状況なのに、テレビではかまわずにABS-CBNはWowoweeを、GMAはEat Bulagaを放送している。どちらもお昼のエンターテインメント番組だ。これには、あきれたというよりも、怒りに近い感情を覚えた。

そして午後3時、停電。全ての情報から遮断され、何もすることなし。電池式のAMラジオと懐中電灯は必需品だとつくづく思う。


今日(27日)は筆者の住む地域は電気・ネットも復旧し、テレビ局も一転、朝から特別番組を組み、被災者への募金を呼びかけている。思うに昨日は、全ての道路が冠水し、テレビ局も移動手段がなかったのだろう(と好意的に解釈)。

台風16号での被害者は死者51人、不明者21人(27日11時時点)。ただし、まだ被害の全体像はつかめていない。

追記:その後の報道で降雨量は9時間で410.9mmと発表されました。例えば日本の平均年間雨量は1700mmですから、その4分の一の雨が9時間で降ったことになります。マニラ全域に410mm=41cmの水の層ができたということです。

【参考】(UPDATE 3) 'Ondoy' leaves dozens dead
    Too much rain too soon



posted by philnews at 13:42 | Comment(4) | TrackBack(2) | フィリピン台風・洪水 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2009年09月26日

エストラーダ前大統領出馬 フィリピン大統領選挙

エストラーダ前大統領(72歳)が2010年5月に予定されたフィリピン大統領選挙に出馬する意向を表明した。

エストラーダ前大統領はこれまで、野党統一候補の擁立に向けて努力していたものの、ベニグノ(ノイノイ)アキノIII上院議員のLiberal Partyからの出馬、マニュエル・ビラール上院議員(Manuel Villar)のNacionalista Partyからの出馬表明を受けて、自分も所属政党Pwersa ng Masang Pilipino(フィリピン大衆の力)から単独で出馬する意向を表明した。正式な発表は「適当な時期」に行うとしている。

また上院議員にも党所属議員を総力で立候補させたいとしている。

一方、エストラーダ前大統領は、現在、ラクソン上院議員によって過去の犯罪についての暴露を受けている。それらはどれも2001年のEDSA2の時に追求されたものだが、エストラーダ前大統領の出馬を阻止するために、この時期になって暴露されたものだと考えられる。ラクソン上院議員はエストラーダ政権でフィリピン国家警察長官を務め、前大統領のダーティーワークを引き受けていたとされる人物だ。

エストラーダ前大統領は6年にわたる裁判の後、2007年9月に汚職の罪で有罪判決を受け、終身刑が確定したが、アロヨ大統領による恩赦によって釈放されていた。EDSA2以降も大衆からの人気は根強く、アキノ上院議員がこのような形で大統領候補として出現しなければ、当選するだろうとさえ言われていた。

【参考】Erap gives up on oppo unity, decides to run himself
posted by philnews at 02:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | フィリピン大統領選挙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2009年09月25日

G20デモの2000人が暴徒化

ピッツバーグで行われるG20に反対するデモに2000人が集まり暴徒化した。
ピッツバーグG20デモに2000人、逮捕者は15人

20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)の会場となっている米ピッツバーグで24日、G20に抗議する約2000人がデモに参加したが、商店の窓ガラスを割るなど一部が暴徒化した。

バンダナやゴーグルなどを身に着けたデモ参加者は、「資本主義に希望はない」などと書かれた看板を高く掲げて抗議した。

警察はデモ隊に向って1時間ほど拡声器などを通じ、解散するよう呼びかけた後、催涙ガスなどを使用する可能性を警告。デモ隊は警察によって別々の通りに分散させられたが、G20会場から約1.6キロ離れた場所で衝突が起きた。

デモ隊が瓶や石などを投げたため、警察は催涙ガスなどを使用した。警察当局の発表によると、深夜までに15人が逮捕された。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090925-00000519-reu-int

ピッツバーグで行われるG20に反対するデモに2000人が集まり暴徒化したというニュースだ。

いつもながらの反グローバリゼーションを訴えるデモである。反グローバリゼーション派はたいがいの主張が支離滅裂だ。

例えば、グローバリゼーションによって途上国がますます貧しくなったという主張があるが、そもそも、中国、インドという最貧国が、いまや世界の中心の仲間入りするほどに発展したのはグローバリゼーションによるものだ。

フィリピンだって、90年代の経済成長は外国企業(主に日本)の進出によるIT関連機器の生産によってもたらされたし、2000年以降の発展はアメリカのコールセンターの進出によるところが大きい。もちろん、国の人口の1割が出稼ぎ労働で稼いでいるわけだから、この国がグローバリゼーションから受けている恩恵は大きい。

日本にいて、PCの前に座り、海外からネットで好きな商品を購入できるのも、ITとともに、グローバリゼーションのおかげだ。中国から安い製品が輸入されるようになり、先進国の労働者が失業したか?と言えば、逆に、中国への輸出も増加している。むしろ先進国の失業は、その国の経済政策がもたらしたものだろう。

まあ、一つ一つのことについては念入りに検討する必要はあるにしても、記事にあるように「資本主義に希望はない」と短略したことを主張するのが反グローバリゼーション派なんだから、その論理がどれほどデタラメかはわかるってものだ。

ちなみに、今、フィリピンから日本製品をネットで購入しようと思っても、なかなか海外発送してくれるショップはない。また、日本人がフィリピンやアメリカの銀行口座を持とうと思っても、そう簡単には開設できない。また、日本からの発送物をEMSでフィリピンへ送っても、税関で止められ、わけのわからない(法律で定められた以上の)関税を払わされることも多い。

どこがグローバリゼーションなんだか。

必要なのは、グローバリゼーションに反対することではなくて、むしろ、グローバリゼーションを個人のレベルまで推し進めることだろう。
posted by philnews at 16:05 | Comment(4) | TrackBack(1) | フィリピン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

与党議員がノイノイ・アキノ支持 フィリピン大統領選挙

8月13日の記事「フィリピンの国会」で、「フィリピンでは政党の意味があまり強くない、それは、国会議員は大統領選挙で勝利した大統領の政党へと鞍替えするからだ」と書いたが、すでにその動きが始まっている。

「多くの下院議員が、5月の大統領選挙ではベニグノ(ノイノイ)アキノIII上院議員を支持したいと考えている」とセブ州選出で与党 Lakas-Kampi-CMD に所属するアントニオ・クエンコ下院議員(Antonio Cuenco)は語った。

クエンコ氏によると、個人的に話をした100人近くの与党議員のうち、半数以上はアキノ上院議員を支持したいと考えている。また、アキノ上院議員の他には、野党 Nacionalista Party 党首マニュエル・ビラール上院議員(Manuel Villar)も人気があり、その次がやっと与党候補である国防長官ギルバート・テオドロ氏(Gilberto Teodoro)となる。

但し、ほとんどの下院議員はこの時期にアキノ支持を表明しないだろう。なぜなら、アキノ候補は野党 Liberal Party の候補であり、今、野党候補を支持表明すると、下院議員に与えられる地方開発資金(CDF:ポークバレルとして知られている)が大統領により削減される可能性が高いからだ。

またクエンコ氏は「状況はまだ流動的であり、議員たちは最も勝つ可能性の高い候補へと流れるだろう」と付け加えた。

【参考】Solons going for Aquino
posted by philnews at 03:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | フィリピン大統領選挙 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2009年09月24日

鳩山首相の温室ガス25%削減演説

「温室効果ガスを20年までに90年比で25%削減する」と鳩山由紀夫首相が国連演説で表明したが、何か、間違って受け止められているんじゃないだろうか?
<米大統領>温室ガス25%減「勇気を賞賛」
キャンベル米国務次官補(アジア・太平洋担当)は23日午後(日本時間24日朝)、ニューヨーク市内で記者会見し、「温室効果ガスを20年までに90年比で25%削減する」との鳩山由紀夫首相の表明は、首相が主張する「対等な日米関係」「自立した国家」を体現するものとの認識を示した。

 首脳会談に同席したキャンベル氏は、鳩山首相の削減目標表明について、「オバマ大統領が首脳会談で、指導力を発揮する決断を行った鳩山首相の勇気を称賛した」と明かした。

 そのうえで、「米国は燃料効率や省エネ設計などで日本から多く学べる」と強調。「対等な関係」の具体例に当たると強調した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090924-00000037-mai-pol

「温室効果ガスを20年までに90年比で25%削減する」と鳩山由紀夫首相が国連演説で表明したが、何か、間違って受け止められているんじゃないだろうか?

鳩山首相は確かに「温室効果ガスを20年までに90年比で25%削減する」とは言った。しかし、それと同時に「すべての主要国の参加による意欲的な目標の合意が、我が国の国際社会への約束の「前提」となります。」と条件をつけているのだ。

それを「勇気を賞賛」されても困る。アメリカは賞賛すればすむ立場じゃなくて、アメリカもこの目標に合意しなければいけない立場なんだから。

また、この演説はイギリスのブラウン首相からも称賛されているそうだ。
日英首脳会談:英首相「25%削減目標を称賛する」

鳩山由紀夫首相は22日夜(日本時間23日午前)、英国のブラウン首相と国連内で会談した。ブラウン首相は、国連気候変動サミットで鳩山首相が表明した温室効果ガス削減の中期目標「20年までに90年比25%」について「首相が踏み出された大きなステップを称賛する」と評価した。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20090924k0000m010062000c.html?inb=yt

称賛するならば、イギリスも今後10年間に90年比25%の削減をする用意があるのだろうか?

以下が、鳩山首相の国連演説の概等部分である。
国連気候変動首脳会合における鳩山総理大臣演説

<削減目標>

 まず、温室効果ガスの削減目標について申し上げます。

 IPCCにおける議論を踏まえ、先進国は、率先して排出削減に努める必要があると考えています。わが国も長期の削減目標を定めることに積極的にコミットしていくべきであると考えています。また、中期目標についても、温暖化を止めるために科学が要請する水準に基づくものとして、1990年比で言えば 2020年までに25%削減をめざします。

 これは、我々が選挙時のマニフェストに掲げた政権公約であり、政治の意思として、国内排出量取引制度や、再生可能エネルギーの固定価格買取制度の導入、地球温暖化対策税の検討をはじめとして、あらゆる政策を総動員して実現をめざしていく決意です。

 しかしながら、もちろん、我が国のみが高い削減目標を掲げても、気候変動を止めることはできません。世界のすべての主要国による、公平かつ実効性のある国際枠組みの構築が不可欠です。すべての主要国の参加による意欲的な目標の合意が、我が国の国際社会への約束の「前提」となります。

 なお、先ほど触れた国内排出量取引市場については、各国で検討されている制度についての情報交換を進め、特に、国際競争力への影響や各国間のリンケージを念頭に置きながら、議論を行ってまいりたいと考えています。

ちゃんと「すべての主要国の参加による目標の合意」が「前提」である
ことが伝わっていればよいのだが。

でも、どちらにしても実現不可能な目標なので、どういうつもりなんだろう?とは思うが。
posted by philnews at 16:30 | Comment(0) | TrackBack(1) | 国際 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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