母子加算復活へ、民主が10月に予算案提出(読売新聞)
民主党は31日、今年3月末で廃止された一人親の生活保護世帯に対する母子加算を今年度中に復活させる方針を固めた。
選挙中の公約なので、民主党は母子加算だけでなく、様々な貧困層にたいする支援策を打ち出してくるのではないかと思われる。
しかし、日本は現在、深刻な不況の中にある。先日発表された完全失業率の統計でも、若年層(15-24歳)男の失業率は12%もある。これにニートやワープアを加えれば、日本の若年層の貧困層はゆうに30%を超えているのではないだろうか?
こうしたなか、日本の中では、生活保護等、政府からの支援策を受給できるものと、そうでないものの不平等がむしろ拡大している。本来は生活保護基準を満たしてるのに、情報にアクセスできていない、若いので支給してもらえないなどの理由で生活保護を支給されていない人たちが、なんと、8割近くいるそうだ。つまり、生活保護の補足率はたったの2割程度なのである。一方で、生活保護の受給者と、そうでないものは、もともとの貧困程度についてそれほど差がないにもかかわらず、受給できたかどうかの違いで、圧倒的な差がついてしまう。これでは、生活保護が本来のセーフティーネットの役割を果たしているとは言えない。
そこで、あらゆる生活支援策を打ち切って、ベーシック・インカム制度に置き換えるべきだと考える。
ベーシック・インカムとは、生活程度や年齢に関係なく、国民全てに一定額(例えば月額5万円)を支給するという制度である。イメージとしては定額給付金が月額5万円になり、全員に配られると考えればよい。
そうすると、無職でも5万円、3人家族だと15万円支給されるから、とりあえず、生きてゆけないほどに貧困となることはない。もちろん、他の収入があれば、それはこれまで通り自分の収入となり、ベーシック・インカムを削減することはない。だから働く意欲を削ぐこともない。また、これまで必要だった、生活保護の申請の審査だとか、他のあらゆる煩雑な手続きが必要なくなるので、そのための人件費を抑制することもできる。
もちろん、財源(70兆円)が必要だが、そもそも日本は社会保障費(医療・年金・生活保護等)に年額90兆円を支出している。これら社会保障費を根本的に組み変えること、そして所得の高いものの税金をアップすること、また無駄な公務員の人件費を削減することにより、不可能ではないだろう。
また、ベーシック・インカムは、国民一人一人にとっても、将来の不安を解消することにつながる。そして、将来の金銭的な不安がなくなれば、現在、無理してまで貯蓄する必要はなくなり、その分消費に回るから、経済も長期的に安定し、税収も増加することに繋がるのだ。
一見、社会主義的な発想に聞こえるかもしれないが、これは、自由主義経済学の牙城、シカゴ大学の大御所ミルトン・フリードマン(経済学者・ノーベル賞受賞者)の「負の所得税」というアイディアとほぼ同一なものだ。
財政政策+金融緩和+インフレ・ターゲットに加えて、このベーシック・インカムによるセーフティー・ネットの整備を進めれば、日本は経済的に成長し、生活の不安もなく、平等な社会となるのだが、どうだろう?
ちなみに、民主党の中には、現段階で、財政政策、金融緩和、インフレターゲット、そしてこのベーシック・インカムの全ての政策についてアイディアはない。
【関連サイト】
ベーシックインカム・実現を探る会
posted by philnews at 12:51
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