アキノ元大統領の葬 儀では、10万人以上の市民が街頭へ繰り出して、その死を悼んだが、この国民の結集が向けられた先が、息子ベニグノ・(ノイノイ)・アキノIII上院議員の大統領選出馬への期待だった。
これまで来年(2010年)の大統領選挙にはエストラーダ元大統領(Joseph Estrada)、ロハス上院議員(Manuel Roxas II)などが有力な候補として挙げられており、エストラーダ元大統領が出馬すれば当選は確実とも言われていた。しかし、すでに2人はノイノイが出馬するなら、自分たちは立候補しないと表明している。また、立候補を予定していたパンパンガ州のパニロロ知事(Ed Panlilio)、イサベラ州のパダカ知事(Grace Padaca)、それに有力候補の一人、マカティ市のビナイ市長(Jojo Binay)も出馬をノイノイに譲ると表明した。
また、副大統領への出馬を予定していた人気の高いパギリナン上院議員(Kiko Pangilinan)も、ロハス上院議員が大統領への出馬をノイノイに譲るなら、自分は副大統領への立候補をロハス上院議員に譲ると表明した(両者は自由党所属)。
このように、反アロヨ派の大統領選挙立候補予定者の多くがアキノ上院議員の出馬を待望するなか、当のアキノ上院議員自身は出馬の意向をまだ固めていない。
民主主義の象徴アキノ元大統領は死して尚、フィリピンの大統領選にかつてない大きな影響を与えた形だ。
【参考】Who else will give way to Noynoy?
Light a candle for reluctant Aquino