ルイス・(チャビット)・シンソン(Luis “Chavit” Singson)氏は元南イロコス州知事で、エストラーダ元大統領を追い出したEDSA2のきっかけとなった人物である。EDSA2はエストラーダ元大統領の汚 職疑惑が発端だったが、それを最初に暴露したのが、元大統領の取り巻きの一人だったシンソン元知事だった。本来、シンソン元知事もエストラーダ元大統領と同罪に問われるべきであったのだが、司法取引により追訴を免れた。そして、エストラーダ元大統領の失脚後は、その功績を評価され、アロヨ政権で大統領顧問(国家安全保障)の要職を与えられていた。
そのシンソン元知事に飛び出したスキャン ダルは、内縁の妻に対する傷 害事件である。9月2日、シンソン元知事の内縁の妻チェ・チョンソン(Che Tiongson)さんがシンソン元知事に暴 力を振るわれたとして裁判所に訴え出た。
シンソン元知事は、暴 力を振るったことは認めたが、それはチョンソンさんの浮気現場を目撃したためだと説明した。シンソン氏がチョンソンさんに与えたアパートを訪れると、そこでチョンソンさんと別の男が一緒にいるのを目撃、シンソン氏は両者に暴 力を加えたという。チョンソンさんはシンソン氏を女性・子供への虐 待を禁止する法律に違反したとして訴えでたが、シンソン氏は「妻の浮気現場を目撃した際の暴 力は罰せられない」として闘う姿勢を示している。
アロヨ大統領は政権に火の粉が降るかかることを恐れ、シンソン氏に大統領顧問職の辞任を求めている。
【参考】Partner files complaint vs Singson
Arroyo asks Singson to take leave of absence