金子 洋一(かねこ よういち、1962年6月28日 - )は、日本の政治家。元民主党三重県第5区総支部長。
早稲田大学政治経済学部政治学科に入学したものの自主的に中退し、東京大学経済学部経済学科に再入学。その後卒業。在学中は、政治学は佐藤誠三郎、経済学は根岸隆にそれぞれ師事。また、学外で作家の児島襄にも師事。
国家公務員I種試験(経済職)に合格し、1989年、経済企画庁(現・内閣府国民生活局)に入庁。主に景気関連などマクロ経済および消費者保護行政分野のポストに就き、人事院長期在外研究員として、英国エセックス大学大学院に、エコノミストとしてOECD(経済協力開発機構)に派遣。
2003年9月、三重県選出の民主党議員である岡田克也、中川正春らに請われて同党へ入党し、内閣府大臣官房総務課総括課長補佐を退職。妻の出身地である地縁により三重県第5区総支部長に就任し、2003年の第43回衆議院議員総選挙と2005年の第44回衆議院議員総選挙立候補したが、いずれも落選に終わり支部長を退任する。その後、2009年10月25日投開票予定の参議院・神奈川県選挙区補欠選挙において民主党公認で出馬することが内定した。(Wikipedia)
別に、東大出であることとか、エコノミストであること自体を評価しているわけではない。逸材と評価しているのは、その政策である。
金子洋一氏、民主党きってのリフレ派である。リフレ政策とはデフレを脱出し、景気回復実現をめざす経済政策のことで、ノーベル賞受賞者クルーグマンを筆頭に、世界中、多くの経済学者が推奨し、日本を除く各国で実践されている手法であるが、日本の中ではなぜだか少数派で、そのことが、先進各国が好況なときに「失われた10年」を経験してしまった原因だと考えられる。金子氏のブログに「リフレ政策を発動せよ」のバーナーが貼られていることに示される通り、金子氏は数少ないリフレ派である。
また、給付金付き税額控除導入論者である。給付金付き税額控除とは、例えば、政府が38万円の税額控除を設定したとして、そもそもの税額が38万円に満たない低所得者はあまりメリットを受けなかった。それを、控除額に満たない額を、そのまま給付する。つまり、税額ゼロの人には、政府が38万円を支給する。税額が15万円の人は38-15=23万円が給付される。つまり、とても有効なセーフティーネットとして働く制度である。これはフリードマンが提唱した負の所得税とほぼ同じであり、発想としてはベーシック・インカムにも近い。
この金子洋一氏が参議院選挙に民主党から出馬することが決まった。
民主党、参院神奈川補選にエコノミストの金子氏を公認
民主党は15日の常任幹事会で、10月8日告示、同25日投開票の参院神奈川選挙区補選の公認候補として、新人でエコノミストの金子洋一氏(47)を擁立することを決めた。参院神奈川補選は同じ日に行われる参院静岡補選とともに、鳩山政権発足後初めての国政レベルの選挙となる。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/302150/
そもそも、民主党三重県第5区総支部長をやっていた人だから、今回の衆議院選挙に出馬しなかったことのほうが不思議だが、次の参院補選で当選すれば、ようやく民主党の中にもリフレ派かつ給付金付き税額控除派の貴重なエコノミスト議員が誕生することになる。金子洋一氏には、是非、民主党の経済政策をまともなものにしてもらいたいと期待する。
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