エストラーダ前大統領はこれまで、野党統一候補の擁立に向けて努力していたものの、ベニグノ(ノイノイ)アキノIII上院議員のLiberal Partyからの出馬、マニュエル・ビラール上院議員(Manuel Villar)のNacionalista Partyからの出馬表明を受けて、自分も所属政党Pwersa ng Masang Pilipino(フィリピン大衆の力)から単独で出馬する意向を表明した。正式な発表は「適当な時期」に行うとしている。
また上院議員にも党所属議員を総力で立候補させたいとしている。
一方、エストラーダ前大統領は、現在、ラクソン上院議員によって過去の犯罪についての暴露を受けている。それらはどれも2001年のEDSA2の時に追求されたものだが、エストラーダ前大統領の出馬を阻止するために、この時期になって暴露されたものだと考えられる。ラクソン上院議員はエストラーダ政権でフィリピン国家警察長官を務め、前大統領のダーティーワークを引き受けていたとされる人物だ。
エストラーダ前大統領は6年にわたる裁判の後、2007年9月に汚職の罪で有罪判決を受け、終身刑が確定したが、アロヨ大統領による恩赦によって釈放されていた。EDSA2以降も大衆からの人気は根強く、アキノ上院議員がこのような形で大統領候補として出現しなければ、当選するだろうとさえ言われていた。
【参考】Erap gives up on oppo unity, decides to run himself