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フィリピン英会話ネット
2009年09月28日

台風16号 フィリピン・マニラ洪水 被災者数(9月28日)

9月28日(月)16時更新の国家災害調整委員会(NDCC)のレポートでは、今回の台風16号での犠牲者数は140人と発表された。

被災者合計 92203家族 453303人
避難所数 207
避難所内避難者数 23147家族 115990人
避難所外避難者数 7791家族 36421人
死亡 140人
不明者32人
負傷者5人
政府による救出者合計 7908人

死亡者(140人)の内訳は以下の通り

モンティンルパ市 3人
ケソン市 2人
マリキナ市 1人
サンホアン市 1人
コリディリエラ地方 1人
ブラカン州24人
パンパンガ州12人
バタンガス州 1人
ケソン州 1人
リサール州 82人
カビテ州 2人
ラグナ州 10人

【出典】National Disaster Coordinating Council(NDCC)

何度も繰り返すが、これらの数字は過小に見積もられている。
マリキナ市のプロビデント・ビレッジ(Provident Village)で59体の遺体が発見された。マリキナ市警察署によると他にもバランガイ・コンセプション・ウノ(Conception Uno)で7人、周辺地域で6人の遺体が発見され、マリキナ市だけで合計72人が死亡したという。また、東部警察署によると、月曜日の午後までにマリキナ市で73人、パッシグ市で6人、サンホアン市で2人、合計81人が首都圏東部だけで死亡したという。また、報道によるとケソン市のバゴンシラガン地区(Bagong Silangan)で29人が死亡し、100人を超える不明者が出ている。

しかしこれらの数はNDCCのレポートではカウントされていない。今後、台風16号による犠牲者が何人になるのかは、まだ予想がつかない段階にある。

【参考】Conflicting death counts in Marikina, Rizal

映像はマニラの中心、ケソン市サンタメサ地区にあるUERM(University of the East - Ramon Magsaysay Memorial Medical Center:イースト大学ラモンマグサイサイ記念病院)の台風当日(26日)の様子


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奇跡の生存者 台風16号 フィリピン・マニラ大洪水

9月26日(土)にフィリピンを襲った台風16号(現地名:Ondoy)による洪水で、濁流となったマリキナ川を家ごと流される家族の映像がテレビで放送され有名になった。

このとき、映像に映っていたうちの一人が奇跡的に助かっていたことがわかった。この奇跡的な生存者はエリックさん(20代前半)。28日(月)のテレビ番組「Wowowee」の中で紹介された。



映像の中で、家族を乗せた家は橋にぶつかり、その後、バラバラになっている。エリックさんは、家が橋の下を通過するとき、とっさに橋脚につかまり、なんとか地上へと上りきった。

その時、奥さんは途中で力尽きて濁流に飲み込まれ、子どもたちはそのまま家とともに下流へと流されてしまったという。

また、エリックさんは、家が流されるに至った当日の状況を泣きながら次のように語った。

「25日の深夜から雨が降り続き、26日の午前4時半にはすでに、家の周りは膝がつかるくらいの水に囲まれていた。水が引くのを待っているうちに、水位は上がり、午前9時には、もう、胸の高さまで水に浸ってしまった。避難することもできず、親戚、家族とともに屋根の上に上り退避していたが、そのうち、家ごと流された。」

その後、この家族のものと思われる遺体が何体か発見され、その他のものは不明である。

台風から2日経った28日現在、フィリピンでは未だに、屋根の上に上ったまま救援を待っている住民が多数いる。政府によるレスキュー活動は全く追いつかず、国際的な救援部隊も派遣されていない。

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フィリピン・マニラ洪水 犠牲者数100人超

台風16号(現地名:Ondoy)によりもたらされた洪水による犠牲者が100人を超えることが確実となった。

フィリピン政府は、現在までに50万人近くが避難している今回の大規模洪水災害について、あまりにも規模が大きくて対応できていないと語った。

土曜日の災害発生から未だに取り残されている人々の所へ到着すること、病気の流行に備えること、生存者に援助を行うこと、これら全てが必要とされることだ。

国家災害調整委員会(NDCC)の関係者は「我々は大規模救援活動に集中しているが、組織も自治体も圧倒されている」「我々は普段、一つの市か1つ2つの州を救援するのに慣れており、今回のように、次々とやってくることはなかった。組織の資材も、人員もあまりにも薄く配置せざるを得ない」と語った。

今回の洪水ではマニラ首都圏の8割以上が冠水し、月曜日になっても冠水したままの地区が残る。また、未だに屋根の上で救援を待つ人たちもいる。

混乱した中、首都圏の一部地域では電話、電気が不通であり、避難所でも食料、飲料水、衣料が不足している。

政府は28日午前6時現在、86人が死亡し、32人が不明、435000人が避難したと発表している。

しかし、これらは大幅に増加しそうだ。なぜならラジオ局は「マリキナ市で新たに58人の死亡が確認された」「ケソン市バゴンシラン地区で29人の遺体が発見され、108人が未だに不明」と伝えたが、この数は政府発表の中に含まれてない。バゴンシラン地区のリーダーは「この数はまだ政府職員に報告してない」と語った。

救援部隊が水没地区に到達するにつれて、発見される犠牲者の数が増加している。「多くの住民が家財道具を守るため、家に残ったのではないか」と国防相は語った。

これまでに7900人が政府のレスキュー部隊によって救出されている。

RP 'overwhelmed' by disaster
(UPDATE 7) 'Ondoy' toll rises to more than 100 - reports



フィリピンで台風猛威
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/asia/306359/
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台風16号 日本の新聞報道比較

今回の台風16号によるマニラの洪水被害の状況が、日本でどのように伝えられているのか、日本のテレビが見れないのでわからない。そこでとりあえず、ネットで確認できる新聞社の記事をいくつか比較してみた。

時事通信(9月27日20時28分配信)
記録的豪雨で73人死亡=過去40年で最悪、5万9000人避難−比

【マニラ時事】フィリピンの首都マニラなどを26日に襲った熱帯低気圧による記録的豪雨で、国家災害対策本部は27日、マニラやその近郊で73人が死亡したことを明らかにした。洪水による家屋浸水などで5万9000人以上が避難、約34万人の生活に影響が出た。
 26日の豪雨は、マニラの1日の降雨量としては1967年以降で最大を記録。インクワイアラー紙(電子版)によれば、浸水が高さ5メートルに達する場所もあった。広範囲で停電が発生し、交通が寸断されるなど首都圏の都市機能がまひした。
 政府はマニラ首都圏とその近郊の州が災害状態にあると宣言し、救助活動を急いでいるが、犠牲者はさらに増える恐れがある。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090927-00000080-jij-int

時事通信によると「約34万人の生活に影響が出た」らしいが、これは「今わかっているだけで、34万人が住む家を失った」のであり、「生活に影響が出た」程度の人間は数百万人に上るだろう。これはフィリピン政府の用いる「Affected Person」を被災者と訳さずに、「生活に影響が出た」と直訳したためだろう。また、マニラを襲ったのは台風ではなく「熱帯低気圧」とされているが、これも気象庁の発表によると「26日午前9時ごろフィリピンのルソン島の東で熱帯低気圧が台風16号に変わりました。」とあるので、マニラを襲ったのは「台風16号」である。

毎日新聞(9月27日20時35分配信)
<フィリピン>ルソン島で豪雨 73人が死亡、23人不明に

【マニラ矢野純一】フィリピン・ルソン島で26日から熱帯低気圧による豪雨があり、比政府は27日、マニラ首都圏や周辺地域で少なくとも73人が川に流されるなどして死亡したと発表した。行方不明者は23人に上り、犠牲者の数はさらに増えるとみられる。

 政府はルソン島を中心に国家災害事態を宣言。国軍によると、マニラ首都圏近郊のリサール州タナイ町では、川がはんらんし、30人が死亡するなど同州だけで計42人が死亡した。マニラ首都圏と同州を中心に約30万人が家を失ったという。

 マニラ首都圏では26日には全域の約80%が冠水。大規模な停電も発生し、都市機能はまひ状態となった。27日になり、水が引き始めたが依然、25%が冠水している。

 国軍がボートやヘリコプターで、水没した住宅の屋根などに避難した住民の救出作業を続けている。複数の地域で土砂崩れが起きているとの情報もある。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090927-00000045-mai-int

毎日新聞でも、豪雨をもたらしたのは「熱帯低気圧」らしい。しかし、その他の部分については「約30万人が家を失った」「マニラ首都圏では全域の約80%が冠水」「都市機能が麻痺」「27日にも依然25%が冠水」など正確に状況を把握しており、国軍による住民の救出の様子なども描かれていて、被災地の状況が目に浮かぶものとなっている。

読売新聞(9月27日15時52分配信)
台風16号、比で73人死亡・23人不明
【マニラ=稲垣収一】フィリピンの国家災害対策本部は27日、同国北部を通過した台風16号の影響により首都マニラ周辺各地で洪水や土砂崩れが発生し、少なくとも73人が死亡、23人が行方不明になったと発表した。

 軍や警察は、濁流に流された住民らの救助活動を続けているが、犠牲者はさらに増える恐れがある。

 台風は26日朝から27日未明にかけてルソン島中部を横断し、マニラは1日あたりの降水量が過去40年余りで最多となる記録的な豪雨に見舞われた。

 周辺では、河川の氾濫(はんらん)による家屋の流失や道路の冠水が相次ぎ、高速道路や空港などの交通網が寸断されたほか、停電も続いた。家屋の浸水などで避難所に逃れた住民は約6万人、被災者数は約34万人にのぼっている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090927-00000415-yom-int

読売新聞は無難に、間違いもなく、発表された情報を整理している印象を受ける。ただ、もう一歩踏み込んだ記述も欲しかった。

朝日新聞(2009年9月27日20時50分配信)
フィリピン、台風直撃で73人死亡 被災30万人か

【バンコク=山本大輔】フィリピンのルソン島で26日、台風16号の直撃による豪雨があり、首都マニラや周辺地域で洪水が起きている。政府による と、27日夕までに73人が死亡、23人が行方不明となった。浸水や地滑りが各地で発生し、被災者は30万人にのぼっているという。日本政府筋によると、 これまでに日本人の死者・行方不明者の情報はない。
 死者の多くは首都圏近郊や周辺地域で出たが、首都圏でも全体の4分の1の地区が冠水。送電線や電話線が切断されるなど市民生活に大きな影響が出ている。マニラでは26日朝からの9時間で416ミリの降雨を記録し、1967年以来の豪雨となった。
http://www.asahi.com/international/update
/0927/TKY200909270131.html

前回のエントリーで指摘した朝日新聞の記事である。この「首都圏でも全体の4分の1の地区が冠水」という記述。これだけでもう、現地にいる人間から見るとなんだかなあである。ここは毎日新聞が記述したように、台風の当日(26日)は約80%、「27日にも依然25%が冠水」が正しい。それから「日本政府筋によると、 これまでに日本人の死者・行方不明者の情報はない」という部分であるが、これ、別に日本政府筋は在留届けを出している人に対しても何の連絡も取っていないし、メールでの呼びかけ等も行っていない。 だから、日本政府筋も報道機関かフィリピン政府が情報を発表(提供)するまで、日本人の情報なんてわからないのではないだろうか?と思う(被災者本人が救援要請したり、報告を入れれば別)。


とりあえず、4社の新聞報道を比較してみたところ、毎日新聞の報道が最も正確で、なおかつ、描写が優れているように感じられた。しかし、どの新聞社も多くて10行程度の記事に過ぎず、扱いが小さいんだなあと思った。フィリピンにとっては首都を直撃した歴史的な大水害なのに。今回は比較の対象としていないが、唯一、別格で詳細な記事を配信しつづけているのが、AFPBBNewsである。日本の新聞各社にも下の記事を参考にしてほしい。

そういえば、日本ではニュースにさえならなかった5月9日にルソン島を襲った台風2号の記事を唯一写真取材していたのもAFPBBNewsだった。海外メディアと国内メディアのスタンスの違いだろうか?

いずれにしても、フィリピン政府発表の数字は今回の台風(洪水)で最も被害の大きかったマリキナ市(人口46万人)の被災者数がカウントされていないので、被災者数は今後数倍に膨らむ可能性がある。
posted by philnews at 06:35 | Comment(0) | TrackBack(2) | フィリピン台風・洪水 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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