スポンサードリンク
フィリピン英会話ネット
2009年10月18日

フィリピン台風17号 (Pepeng) 被害状況まとめ


台風16号(現地名:Ondoy)の上陸(9月26日)から1週間後、台風17号(現地名:Pepeng)は10月3日にフィリピンへ上陸し、一旦、南シナ海へ抜けたものの、台風18号に引きずられるように進路を変えフィリピンへ再上陸、北部ルソン地域を中心に甚大な被害を及ぼした。

この10月3日から10日までの1週間にわたってフィリピンに滞留した台風17号は、バギオに1856mmという記録的大豪雨をもたらした。これはバギオの10月の平均月間雨量462mmの4倍にあたる。


台風17号(Pepeng)被害状況 (10月18日発表)

死者438人
不明者51人
負傷者181人

被災者 807773家族 3801014人
被災地域 27州・402市町・5185バランガイ

【出典】National Disaster Coordinating Council (NDCC)

今回の台風17号では台風16号の死者数380人を超える犠牲者が出たが、これは主にコルディリェラ行政地域(CAR)のベンゲット州(バギオも領内に含まれる)で起きた地滑りによるものである。ベンゲットでの土砂崩れでは一度に288人が亡くなるという悲劇が起きた。

また、台風17号ではパンガシナン州、イロコス州、および中部ルソン地域での洪水被害が大きく、このうちパンガシナン州では州の8割が水没し、9日にはロサレス町の開店して1年足らずのSM Rosalesの一階部分が完全に水没し、従業員らが屋上に上がって助けを待つというショッキングな光景が中継された(SMはフィリピン最大のショッピング・モールグループ)。

この大洪水に関しては、降り続く豪雨だけでなく、アグノ川上流にある多目的ダム・サンロケダムによる緊急放水が被害を拡大させたとして周辺自治体および住民から非難が集中、14日、上院委員会はダム関係者および周辺自治体関係者を集めこの問題を追及した。(この問題については サンロケ多目的ダムプロジェクト に詳しくまとめられています)

また、洪水・土砂崩れによりマニラ-バギオ間の交通が寸断されたこと、野菜産地であるベンゲット州に大きな被害が出たことから、マニラでの野菜価格が軒並み4倍に跳ね上がり、庶民の暮らしを圧迫している。マニラでは台風16号の襲来以来、物価統制令が出されていたはずであるが、全く機能していない。

台風16号によるマニラの洪水被害について人災的側面があったことについては「マニラ大洪水 人災の可能性」で報告したが、今回の台風17号についても、直前の台風での経験が生かされなかったばかりか、またもや人災の可能性が出てきた。

今後、この問題については専門家による詳細な原因究明が行われることを切に願う。

【参考】
Rainfall in Baguio is 4 times its monthly average
Heavy flooding in Pangasinan as dam releases excess water
Dam managers called liars
サンロケダムの悲劇 ダムは洪水災害を拡大する


posted by philnews at 19:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | フィリピン台風・洪水 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2009年10月17日

洪水後の危険な病気 レプトスピラ症


9月26日にフィリピンに上陸した台風16号(現地名:Ondoy)では、マニラ首都圏を中心に大規模な洪水が発生し、死者・不明者374人にのぼる甚大な被害を及ぼしたが、洪水から3週間が経つ10月17日、洪水後の危険な病気による被害が拡大している。

危険な病気の名前はレプトスピラ症(Leptospirosis)で、保健省(DOH)の報告によれば、10月17日の時点で感染者1027人、死者89人(致死率8.6%)が発生した。

レプトスピラ症は不衛生な水の経口あるいは皮膚の傷からの進入により感染する細菌感染症で、一般的にはネズミや家畜の尿に含まれる細菌が洪水による不衛生な水を介して体内に侵入することにより感染する。

レプトスピラ症は腎臓、肝臓を損傷し、発熱、発疹、倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛、吐き気などの症状が出る。重症化すると死に至る。

潜伏期間は2〜20日間。抗生物質が有効であり、暴露期間中にドキシサイクリン200mgを週1回経口投与すると予防となる。

保健省によると、昨年のフィリピンでのレプトスピラ症の感染者総数は769人だったが、今回はすでにその数を大幅に上回っており、台風16号による洪水で、170万人が不衛生な水に晒されたと見積もると、統計的には3800人の感染が発生する心配があるという。

【参考】Leptospirosis still Ondoy’s doing, kills 89
posted by philnews at 09:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | フィリピン台風・洪水 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2009年10月16日

民主党の経済政策の問題点


これまでこのブログの中で、民主党の経済政策に対する論評を何度か行って来たので、今回は、その全体像をまとめておく。まとめにあたっては、その基準が明確であるように、民主党の経済政策についてのマニフェストを参照しておきたい。以下は民主党マニフェスト2009雇用・経済の全文である。

民主党 マニフェスト2009 雇用・経済


5雇用・経済

35.中小企業向けの減税を実施する
【政策目的】
○中小企業やその経営者を支援することで、経済の基盤を強化する。
【具体策】
○中小企業向けの法人税率を現在の18%から11%に引き下げる。
○いわゆる「1人オーナー会社(特殊支配同族会社)」の役員給与に対する損金不算入措置は廃止する。
【所要額】
2500億円程度

36.中小企業憲章の制定など、中小企業を総合的に支援する
【政策目的】
○わが国経済の基盤である中小企業の活性化を図るため、政府全体で中小企業対策に全力で取り組む。
【具体策】
○「次世代の人材育成」「公正な市場環境整備」「中小企業金融の円滑化」などを内容とする「中小企業憲章」を制定する。
○最低賃金引き上げを円滑に実施するため、中小企業への支援を行う。
○「中小企業いじめ防止法」を制定し、大企業による不当な値引きや押しつけ販売、サービスの強要など不公正な取引を禁止する。
○貸し渋り・貸しはがし対策を講じるとともに、使い勝手の良い「特別信用保証」を復活させる。
○政府系金融機関の中小企業に対する融資について、個人保証を撤廃する。
○自殺の大きな要因ともなっている連帯保証人制度について、廃止を含め、あり方を検討する。
○金融機関に対して地域への寄与度や中小企業に対する融資状況などの公開を義務付ける「地域金融円滑化法」を制定する。
○公正取引委員会の機能強化・体制充実により公正な市場環境を整備する。
○中小企業の技術開発を促進する制度の導入など総合的な起業支援策を講じることによって、「100万社起業」を目指す。

37.月額10万円の手当つき職業訓練制度により、求職者を支援する
【政策目的】
○雇用保険と生活保護の間に「第2のセーフティネット」を創設する。
○期間中に手当を支給することで、職業訓練を受けやすくする。
【具体策】
○失業給付の切れた人、雇用保険の対象外である非正規労働者、自営業を廃業した人を対象に、職業能力訓練を受けた日数に応じて「能力開発手当」を支給する。
【所要額】
5000億円程度

38.雇用保険を全ての労働者に適用する
【政策目的】
○セーフティネットを強化して、国民の安心感を高める。
○雇用保険の財政基盤を強化するとともに、雇用形態の多様化に対応する。
【具体策】
○全ての労働者を雇用保険の被保険者とする。
○雇用保険における国庫負担を、法律の本則である1/4に戻す。
○失業後1年の間は、在職中と同程度の保険料負担で医療保険に加入できるようにする。
【所要額】
3000億円程度

39.製造現場への派遣を原則禁止するなど、派遣労働者の雇用の安定を図る
【政策目的】
○雇用にかかわる行き過ぎた規制緩和を適正化し、労働者の生活の安定を図る。
○日本の労働力の質を高め、技術や技能の継承を容易にすることで、将来の国力を維持する。
【具体策】
○原則として製造現場への派遣を禁止する(新たな専門職制度を設ける)。
○専門業務以外の派遣労働者は常用雇用として、派遣労働者の雇用の安定を図る。
○2ヵ月以下の雇用契約については、労働者派遣を禁止する。「日雇い派遣」「スポット派遣」も原則禁止とする。
○派遣労働者と派遣先労働者の均等待遇原則を確立する。
○期間制限を超えて派遣労働者を受け入れている場合などに、派遣労働者が派遣先に直接雇用を通告できる「直接雇用みなし制度」を創設する。

40.最低賃金を引き上げる
【政策目的】
○まじめに働いている人が生計を立てられるようにし、ワーキングプアからの脱却を支援する。
【具体策】
○貧困の実態調査を行い、対策を講じる。
○最低賃金の原則を「労働者とその家族を支える生計費」とする。
○全ての労働者に適用される「全国最低賃金」を設定(800円を想定)する。
○景気状況に配慮しつつ、最低賃金の全国平均1000円を目指す。
○中小企業における円滑な実施を図るための財政上・金融上の措置を実施する。
【所要額】
2200億円程度

41.ワークライフバランスと均等待遇を実現する
【政策目的】
○全ての労働者が1人ひとりの意識やニーズに応じて、やりがいのある仕事と充実した生活を調和させることのできる「ワークライフバランス」の実現を目指す。
【具体策】
○性別、正規・非正規にかかわらず、同じ職場で同じ仕事をしている人は同じ賃金を得られる均等待遇を実現する。
○過労死や過労自殺などを防ぎ、労働災害をなくす取り組みを強化する。

42.地球温暖化対策を強力に推進する
【政策目的】
○国際社会と協調して地球温暖化に歯止めをかけ、次世代に良好な環境を引き継ぐ。
○CO2等排出量について、2020年までに25%減(1990年比)、2050年までに60%超減(同前)を目標とする。
【具体策】
○「ポスト京都」の温暖化ガス抑制の国際的枠組みに米国・中国・インドなど主要排出国の参加を促し、主導的な環境外交を展開する。
○キャップ&トレード方式による実効ある国内排出量取引市場を創設する。
○地球温暖化対策税の導入を検討する。その際、地方財政に配慮しつつ、特定の産業に過度の負担とならないように留意した制度設計を行う。
○家電製品等の供給・販売に際して、CO2排出に関する情報を通知するなど「CO2の見える化」を推進する。

43.全量買い取り方式の固定価格買取制度を導入する
【政策目的】
○国民生活に根ざした温暖化対策を推進することにより、国民の温暖化に対する意識を高める。
○エネルギー分野での新たな技術開発・産業育成をすすめ、安定した雇用を創出する。
【具体策】
○全量買い取り方式の再生可能エネルギーに対する固定価格買取制度を早期に導入するとともに、効率的な電力網(スマートグリッド)の技術開発・普及を促進する。
○住宅用などの太陽光パネル、環境対応車、省エネ家電などの購入を助成する。

44.環境に優しく、質の高い住宅の普及を促進する
【政策目的】
○住宅政策を転換して、多様化する国民の価値観にあった住宅の普及を促進する。
【具体策】
○リフォームを最重点に位置づけ、バリアフリー改修、耐震補強改修、太陽光パネルや断熱材設置などの省エネルギー改修工事を支援する。
○建築基準法などの関係法令の抜本的見直し、住宅建設に係る資格・許認可の整理・簡素化等、必要な予算を地方自治体に一括交付する。
○正しく鑑定できる人(ホームインスペクター)の育成、施工現場記録の取引時の添付を推進する。
○多様な賃貸住宅を整備するため、家賃補助や所得控除などの支援制度を創設する。
○定期借家制度の普及を推進する。ノンリコース(不遡及)型ローンの普及を促進する。土地の価値のみでなされているリバースモーゲージ(住宅担保貸付)を利用しやすくする。
○木材住宅産業を「地域資源活用型産業」の柱とし、推進する。伝統工法を継承する技術者、健全な地場の建設・建築産業を育成する。

45.環境分野などの技術革新で世界をリードする
【政策目的】
○1次エネルギーの総供給量に占める再生可能エネルギーの割合を、2020年までに10%程度の水準まで引き上げる。
○環境技術の研究開発・実用化を進めることで、わが国の国際競争力を維持・向上させる。
【具体策】
○世界をリードする燃料電池、超伝導、バイオマスなどの環境技術の研究開発・実用化を進める。
○新エネルギー・省エネルギー技術を活用し、イノベーション等による新産業を育成する。
○国立大学法人など公的研究開発法人制度の改善、研究者奨励金制度の創設などにより、大学や研究機関の教育力・研究力を世界トップレベルまで引き上げる。

46.エネルギーの安定供給体制を確立する
【政策目的】
○国民生活の安定、経済の安定成長のため、エネルギー安定供給体制を確立する。
【具体策】
○エネルギーの安定確保、新エネルギーの開発・普及、省エネルギー推進等に一元的に取り組む。
○レアメタル(希少金属)などの安定確保に向けた体制を確立し、再利用システムの構築や資源国との外交を進める。
○安全を第一として、国民の理解と信頼を得ながら、原子力利用について着実に取り組む。


民主党 政権政策
Manifesto

発行日 2009年7月27日
発行 民主党
http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2009/index.html

民主党の経済政策の問題点


民主党の経済政策の問題点は一言でいうと、これ、全部、個別具体的なミクロ政策であるということだ。

経済は大きなところから見ないと失敗する。そして中央政府はマクロ政策を実施できる唯一の機関である。にもかかわらず、民主党のマニフェスト・経済政策の中にはマクロ政策がひとつもない。マクロ政策とはいうまでもなく、財政政策と金融政策であり、財政支出は政府によって、金融緩和は日銀によって実施される。

これまで民主党が掲げたマクロ政策としては「政権交代こそ最大の景気対策である」「円高で内需拡大」「子ども手当てで内需拡大」くらいなものだ。

まず、政権交代が景気対策だというスローガンが全く内容のない空虚なものであることは指摘するまでもない。次に、円高で内需拡大というのが意味するところが全くの不明である。円高だと普通、輸出が減って、輸入が増えるから、GDPは減少する。つまり、マイナス効果を持つ可能性のほうが高い。少なくとも円高が内需拡大を促進するという理屈はそのままでは成立しない。そして、子ども手当てで内需拡大。もちろん、子ども手当てを給付すれば、そのうちの7割程度は消費へ回るだろうから、その分、内需は拡大する。これは単純に、減税効果と同じだけの効果を持つと考えられる。但し、その財源を増税で賄えばプラス・マイナスゼロとなるし、他の財政支出を削れば、これもまた景気浮上効果はゼロ、場合によってはマイナスとなる。

そして、これまでのところ、民主党から、金融政策に対するコメントはない。国民新党の亀井大臣による金融モラトリアムくらいだろう。その上、政府は経済諮問会議を廃止したが、経済諮問会議はこれまで政府首脳と日銀首脳が話し会いを行えるほぼ唯一の機会だったということだ。これを廃止してしまったので、政府は金融政策を調整する術をわざわざ捨てたことになる。

このように、民主党としては、マニフェストの中にさえマクロ経済政策を持たず、その上、財源が不足すると場当たり的に国債増発を口にしてしまう政権である(これが市場で売却されるのか、日銀による買取によるものかは不明)。そして、最大の問題として、この不況下にあって、デフレを食い止め、経済成長を促すという戦略がいまだに何も見えてこない(日本の潜在経済成長率は少なくとも2%あると推定されるのに)。

以上が筆者の民主党の経済政策に対する論評の基本スタンスである。筆者は現時点において支持政党は持たないから、あくまでも「経済政策の内容」を純粋に議論しているに過ぎないことを付け加えておく。特に政権与党の持つ権力は大きいので、どの党が与党であれ、常に与党の政策を検討することは重要であると考えている。
posted by philnews at 04:41 | Comment(3) | TrackBack(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2009年10月12日

フィリピン台風16号 日本政府が4億円の緊急無償資金協力


日本政府は9日、フィリピンのマニラ首都圏を中心とする台風16号による洪水被害に対する緊急支援として、国連世界食糧計画(WFP)を通じ、総額450万ドル(約4億円)の緊急無償資金協力をおこなうことを発表した。これは国連からの支援要請に応えたもの。

支援は、約67万人の被災者を対象として、緊急に必要としている食糧を援助することを目的としている。今回の決定に先立ち、日本政府は他国に先駆けて9月30日にフィリピン政府に対し、約2000万円相当のスリーピングマットや毛布などの緊急援助物資の供与を実施していた。

フィリピンに対する緊急無償資金協力としては、最近では、2006年11月30日に上陸し、ビコール地方を中心にルソン島南部に甚大な被害をもたらした台風21号(現地名:レミン)による被災者に対して100万ドル(当時:1億1000万円)の緊急無償資金協力を実施したが、今回の緊急無償資金協力(4億円)はそれよりもずっと大きい。

現地のメディアでも日本からの援助についてはトップ扱いで伝えられている。
日本政府は台風被災者救援のために450万ドル(2億1000万ペソ)を世界食糧計画(WFP)を通して供与した。これは台風16号(現地名:オンドイ)が9月26日に襲来した後、国防相が国際社会への支援を求めて以来、最大の支援となる。

Typhoon-battered RP appeals for int’l help

これまでに表明・実施された日本以外からの国際支援としては以下のものがあげられる

ユニセフ 300万ドル
スペイン 200万ドル
オーストラリア 170万ドル

国連ではフィリピンの台風16号被災者に対し総額7400万ドル(約67億円)の支援を呼びかけている。

以下は外務省プレスリリースからの転載。

フィリピン共和国における台風被害(我が国からの緊急無償資金協力)

平成21年10月9日

1. 我が国政府は、10月9日(金曜日)、フィリピンのマニラ首都圏を中心とする台風16号による洪水被害に対する緊急支援として、国連世界食糧計画(WFP)を通じ、総額450万ドルの緊急無償資金協力を実施することとしました。
2. 今次支援は、約67万人の被災者を対象として、緊急に必要としている食糧を援助することを目的とするものです。
3. 我が国としては、今回の災害によりもたらされた甚大な被害および我が国とフィリピン共和国の友好関係に鑑み、緊急無償資金協力を行うこととしたものです。
4. 我が国は、今回の決定に先立ち、9月30日(水)にフィリピン共和国政府に対し、約2,000万円相当の緊急援助物資(スリーピングマット、毛布等)の供与を実施しています。

【参考】
(1)台風16号による被害状況(5日午前4時時点の国家災害調整評議会発表。)
(イ)死者:295名
(ロ)行方不明者:39名
(ハ)被災者:392万9,030名
(ニ)家屋の倒壊:1万203棟(全壊4,270棟、半壊5,933棟)
(ホ)避難所(526か所)への避難者:33万5,740名
(ヘ)被災地域からの避難者(上記(5)以外):70万6,963名

(2)今次支援の詳細
3日、国連がフラッシュアピールを正式発表し、総額約7,400万米ドル(約67億円)の支援を要請したことに鑑み、以下のWFPのプロジェクトに対し450万米ドルの支援を行う。
実施期間:1か月
裨益者:67万人
支援内容:避難所で生活する被災民および、水浸しの家に取り残された人々に対し、米を配給。また人員および食糧等の援助物資を輸送するための航空サービスの運営を行う。
プロジェクト全体額:2,630万米ドル
(食糧援助:1,970万米ドル、ロジスティックスおよび通信支援:2万7,000米ドル、航空サービス:390万米ドル)

(3)今次被害に関し、9月28日、岡田外務大臣よりフィリピン共和国のロムロ外務長官に対し、日本国政府及び日本国民を代表して、亡くなられた多 数の犠牲者の遺族の方々への哀悼の意を表するとともに、被災者の方々の速やかな回復と復興を祈念するお見舞いメッセージを発出済。

【出典】外務省プレスリリース
posted by philnews at 01:45 | Comment(3) | TrackBack(2) | フィリピン台風・洪水 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2009年10月09日

マニラ大洪水 人災の可能性


9月26日にフィリピンへ上陸した台風16号は、マニラ首都圏および周辺地域に豪雨をもたらし、甚大な被害を及ぼしたことについては、このブログの中で伝えてきた。また、マニラの洪水防止対策については、これまで日本政府が力を入れてきた援助分野であったことも伝えた。

今回は、この日本政府による洪水対策について、信じられないニュースである。

10億ペソの洪水警報システム 無駄に終わる(ABS-CBN News)

公共事業省(DPWH)からメトロマニラ開発庁(MMDA)への移管に伴い、高価な洪水警報システムが使われずに放置されてきたことがわかった。運用されていれば、警報システムは台風16号によってもたらされたマニラ首都圏の洪水被害を軽減していた可能性がある。

ABS-CBNの取材によると、洪水警報システムは日本政府からの11億ペソ(22億円)相当の援助によるもので、これが単なる無視、軽視により運用されていなかった。

プロジェクトの初期のスタッフは、パッシグ、マリキナ、ラグナ湖周辺での洪水を軽減し、犠牲者を最小限に食い止められたかもしれないこのシステムの運用中止は、MMDA長官バヤニ・フェルナンド(Bayani Fernando)によるものだと語った。

マニラ首都圏洪水警報システムは効果的洪水調整運用システム(Effective Flood Control Operation System :EFCOS)として公共事業省の事業として実施された。プロジェクトはパッシグ、マリキナ、ラグナ湖周辺地域の洪水の効果的な調整を目的として、マニラ首都圏洪水防止計画の2本柱のひとつとして実施された。マンガハン放水路とナピンダン水門の建設である。これには雨量測定所と水量観測所の設置、およびネットワークの中心的役割を果たすロザリオ中央コントロールステーションの建設も含まれていた。

EFCOSは2つのフェーズからなり、第一フェーズは1992年に完了し、日本から6億ペソの借款が行われた。アンチポロ市とモンタルバン町の雨量測定所および9つの水位観測所がロザリオ水門とともに設置された。雨量測定所と水位観測所のデータはロザリオ中央コントロールステーションに送られるようになっていた。

データに基づいて、監督官庁がパッシグ川水系の水位上昇に関する情報を得ることが出来、警告することができるようになっていた。また、システムはロザリオ水門の開閉を通じて、水をラグナ湖に流し込むか、マンガハン放水路へ流すかを判断する情報も提供するものだった。マンガハン放水路はマリキナ川下流およびパッシグ川の洪水を軽減するようにデザインされていた。

第2フェーズは日本の国際協力機構(JICA)からの総額5億ペソの無償援助により2001年に完了した。このフェーズではアンチポロ市、リサール州、サンマテオ町、ケソン市、パッシグ市にそれぞれ雨量測定所を設け、水位観測所も増設し、マニラ首都圏の各自治体に通信システムを設置、情報伝達を改善する事業が行われた。マンガハン放水路には遠隔操作できる9つの警報塔が設置され、周辺住民への警報を行えるようになっていた。

DPWH関係者によれば、EFCOSプロジェクトは2002年にMMDAに移管された。これはフェルナンドMMDA長官自身が大統領に掛け合って実現したものである。EFCOSの全職員もMMDAへ異動した。

しかし、2006年からはEFCOSはデータ収集も情報伝達も中止している。そして2008年5月には予算不足を理由に運転が全面停止された。関係者によると、これはフェルナンド長官により、システムの維持・管理コストが成果に見合わないと判断されたためだという。このため、全ての洪水警報設備が機能しないこととなった。

MMDAの技術部長は現在でもいくつかの雨量測定所および水位観測所は稼動中だと語った。しかし、いくつかの設備は予算が支出できないため維持管理されていないと認めた。

水位観測所の修繕のためには日本製の部品が必要で、一基50万ペソ(100万円)必要だが、これは現実的ではないと語った。部長によるとEFCOSの設備はすでに旧式のものなので、修繕を行っても得られる利益は小さいだろうと語った。

しかし、DPWHの水利技術者は「雨量測定所と水位監視所から送られてくるデータは、橋のデザインや洪水防止のためには必要不可欠なものである」と語った。フィリピン気象庁の関係者は「ロザリオ中央事務所から送られてくる雨量計と水位計のデータは、洪水警報発令のための基礎データとなり、災害軽減に役立つものだ」と述べた。しかし彼女によると、気象庁はここ数年、EFCOSプロジェクトからの情報提供を得られていないと付け加えた。

【出典】P1-B flood warning system wasted due to neglect

まさか、日本政府によるマニラ首都圏洪水対策事業の中でも中心的存在の一つだった洪水警報システムが、フィリピン政府自身の手によって運用中止されていたとは思いませんでした(関係者の方はご存知だったのでしょうか?)。

これは、あきれる、怒りを通り越して、どう表現すれば良いのでしょう?

さて、9月28日の台風16号 日本の新聞報道比較の中で「日本人の被災情報を大使館も把握していないのではないか?」という論旨のことを書きましたが、ネットを見ていると、日本人の中にも大変な被災をされた方がいることがわかりました。

台風ONDOYがもたらしたもの

政府の責任者がしっかりしていないと、せっかくのシステムさえ身を守ってくれない。これは日本でも、フィリピンでも同じなのでしょう。今回のマニラの大洪水に関しては、専門家の方による詳細な原因調査と再発防止策が検討されることを望みます。
posted by philnews at 23:32 | Comment(0) | TrackBack(2) | フィリピン台風・洪水 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。