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2009年12月26日

11月の失業率と10年度予算案

11月の失業率が12月25日発表された。

11月の失業率


総務省よると11月の完全失業率は5.2%となり、10月の5.1%より0.1ポイント上昇した。失業率は7月の5.7%を最高に、5.5%(8月)、5.3%(9月)、5.1%(10月)と順調に下落していただけに、4ヶ月ぶりの上昇はサプライズと言える。

就業者数は6260万人。前年同月に比べ131万人の減少。これは22か月連続の減少。雇用者数は5466万人。前年同月に比べ85万人の減少。主な産業別就業者を前年同月と比べると、「製造業」、「建設業」、「卸売業・小売業」などが減少、「医療・福祉」「生活関連サービス業・娯楽業」などが増加しており、あいかわらず建設業・製造業での失業者を医療・福祉分野が吸収している傾向が見て取れる。完全失業者数は331万人。前年同月に比べ75万人の増加で、13か月連続の増加。

また、完全失業率は男性5.4%、女性4.9%と男性の方が高く、また、年齢別では15-24歳で8.4%、25-34歳で6.3%、35-44歳で4.7%、45-54歳で3.8%となっており、若年層ほど失業率が高い。

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photo by haribote

鳩山内閣の成果


一般的に失業率は景気に対する遅行指標とされており、昨年9月(4.0%)のリーマンショック以降も1月(4.1%)まで失業率の上昇は見られなかった。それが2月(4.4%)から7月(5.7%)にかけて一直線で上昇していた。

8月(5.5%)から10月(5.1%)にかけて、失業率が下落へ転じたのは、麻生内閣による15.7兆円にも上る補正予算(5月成立)の効果と考えられる。それを9月に成立した鳩山内閣が補正予算凍結を行った「効果」が今回はっきりと現れたと言えるだろう。また、藤井財務相による円高容認発言と、それをきっかけとした円高進行による輸出企業利益の圧迫が今回の失業率の増加につながった。それに加え、日銀によるデフレの放置が経済回復を遅らせ、失業率の回復を阻んでいる。

つまり、今回の失業率の増加(高止まり)はデフレの放置、補正予算の凍結、そして一時の円高の進行の3つの要因によると考えられ、これらは鳩山内閣の「成果」と言えるだろう。


10年度予算案


12月25日、10年度予算案が閣議決定された。国の予算は財務大臣(財務省)が予算案を作成し、閣議決定の後、内閣として国会に提出、国会の承認を受けた上で本予算が成立する。

10年度予算案では、予算総額92兆2992億円(うち一般歳出額53兆4542 億円)、歳入は37兆3960億円、税外収入が10兆6002億円、そして新規国債発行額は44兆3030億円となる。

10年度予算の特徴は、公共事業費を前年度比18.3%減の5兆7731億円と1.3兆円削減する一方、子ども手当に1兆7465億円、高校無償化に3933億円、農業の戸別補償に5618億円を支出することだろう。

子どもを持つ家庭の扶養控除は廃止されるものの、月額2万6000円の子ども手当と、年間12万円(公立)の高校無償化の実施により、子どもを持つ家庭はこれまでよりも収入が増えることになる。

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Photo by nodoca

「コンクリートから人へ」の現実


「コンクリートから人へ」と言われるように、今回の予算案は一言で言えば公共事業を削減して一部の人たちに直接給付しようという話なのだが、これまで指摘してきたように子ども手当は景気対策としては弱く、公共事業を削った分だけ失業者が生まれ、なおかつ、直接給付を受ける対象はそれら政策転換により生まれる失業者ではない。つまり、「コンクリートから人へ」は新たな格差を生むことになる。

来年の予算92兆のうち、44兆円を新規国債発行で賄うわけだが、この金額は税収を超える。また、一般歳出額53兆4542 億円のうち実に27兆2686億円が子ども手当を含む社会保障費として使われ、一般歳出の半分を超える。これは見方を変えれば、恒常的な支出となる社会保障費を国債と埋蔵金を財源として賄おうという話ともとれる。しかし、今回の予算によりいわゆる埋蔵金は使い切ることになるので、来年からの財源の目処がわからない。

社会保障とは本来、所得の移転である。それも高所得者から低所得者への移転でなければ意味が無い。しかし、今回の予算案を見る限り、社会保障費の財源を国債と埋蔵金に求め、なおかつ、所得の移転先は「子どもを持つ家庭」であり、決して低所得者対象ではない。むしろ公共事業削減による失業者が増加するのが必然となる 予算に見える。

不況下で大規模な予算を組んだこと自体はプラスに働くので評価できるものの、今後、海外の景気回復に乗じた日本の輸出拡大や、金融政策によるデフレの克服が伴わなければ、かなりシビアな状態になることも予想される。

注:一般歳出とは、一般会計予算で歳出全体から、国債の元利払いと、地方交付税交付金と地方特例交付金を引いたもの。社会保障、公共事業、文教及び科学振興、防衛、その他の政策的経費で構成される。

【参考】
総務省・統計局
10年度予算案、一般会計総額は過去最大92.3兆円



posted by philnews at 11:42 | Comment(4) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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