フィリピン政府が国際社会に救援を要請した。要請は台風襲来から48時間以上たってから国連に対して行われた。この要請はアロヨ大統領により「台風による被害は国の対応能力の限界を超えている」との判断で行われた。
要請に先立って、日本(22万ドル:2千万円)、アメリカ(10万ドル)、中国(1万ドル)の支援がすでに行われている。アメリカはこの他、駐留中の海軍兵士18名をフィリピン国軍の支援にあたらせている。日本政府による援助は迅速で、金額も一番大きなものとなっている(援助は現金でなく、援助物資として供与される)。
WHO(国際保健機構)は4万2000ドルの援助を行うと発表した。これは避難所での安全な水の確保と伝染病の防止に用いられる。
国際NGOワールドビジョン(World Vision)はヘリコプターで援助物資の分配を開始している。ワールドビジョンは全世界から200万ドル(2億円)の寄付を呼びかける計画である。
また上院議会は各上院議員に分配された地域開発資金(CDF)の中から100万ペソ(200万円)ずつを被災者救援のために支出する議決を行った。
フィリピン航空(PAL)はフィリピン国内からの緊急支援物資を無償でマニラまで運搬することを発表した。また、メトロバンクはメトロバンク財団から1000万ペソ(2千万円)を寄付したいと発表した。この他、フィリピンの数多くの企業が被災者のための援助金・援助物資を寄付している。
【出典】RP pleads for int’l help
また日本の中で最も行動が早かったのは医療・人道支援NGOであるAMDAだと思われる。AMDAは9月28日に緊急支援チームの派遣を決定し、翌29日には出発する。派遣チームには在日フィリピン人も含まれており、現地での聞き取り調査なども問題なく実施できるだろう。
http://amda.or.jp/articlelist/n50.html
緊急援助に関しては通常、赤十字が最も組織的かつ大規模な支援を行っており、赤十字は世界的なネットワークを持っている。今回の台風16号による洪水被害に関してもフィリピン赤十字社は即座に、マニラ首都圏の特に被害の大きい地域に21の水害捜索・救助チームを派遣し、28日現在、400人の住民を救助し、さらに救出作業を続けている。また、130箇所の避難所を立ち上げ、75,000人の住民を収容している。
しかし、現在(29日15時)までのところ、フィリピン赤十字から日本赤十字に対する支援要請がないようで、日本赤十字は「支援要請があれば即時に対応することとし、状況を注視して」いる状態にあるようだ。日本赤十字が支援を開始すれば、日本からの寄付がもっともしやすい支援先となるだろう。
http://www.jrc.or.jp/kokusai/news/l4/Vcms4_00001287.html
追記:日本赤十字社がフィリピン台風被害者への救援金受付を開始しました。詳細は日本赤十字社のサイトでどうぞ。
http://www.jrc.or.jp/kokusai/news/l4/Vcms4_00001289.html

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