このグラフを見る限り、着実に年々成長を続けていることが確認できる。
次に、同じ期間の先進国のGDP推移を見てみよう。先進国代表、アメリカの名目GDP推移は以下のようになる。
このグラフからわかるとおり、アメリカのGDPも着実に成長を続けていたことがわかる。
次に、ドイツの名目GDP推移は以下のようになる。
このグラフからわかるとおり、日本とほぼ同じ経済規模を持つドイツのGDPも着実に成長を続けていたことがわかる。
最後に、同じ期間における日本の名目GDPの推移は以下のようになる。
あれ?
このグラフからわかるとおり、日本の2009年の名目GDPは1992年の名目GDPと変わらないということがわかる。日本だけ、17年間成長していないのだ。これはどういうことかというと、企業売上げや雇用者の賃金が1992年からずっと上昇していないということだ。
たねを明かせば、これはデフレのなせる業である。世界で唯一、日本だけが10年以上にわたってデフレを続けた。途上国は当然として、アメリカもドイツも、その他の先進国もみなインフレのある経済の中、順調に経済を成長させているのに、日本だけがデフレで失われた10年、今や、15年を経験して、名目でみると経済成長していない。
これがどれだけ異常事態であるのかは、筆者が説明するまでもなく、上のグラフを見比べれば一目瞭然だろう。普通の国は、先進国でも途上国でもインフレとともに経済成長しているのである。デフレで唯一、経済成長していない国、それが日本だ。こんな異常な経済運営を平然と続けているのが、政府、そして日本銀行である。
もちろん、詳細に検討するには実質GDPやインフレ率、そして国民一人当たりGDPなどを比較する必要があるのだが、とりあえず今日は、視覚的に日本経済のこの15年にわたる異常を表現するに留める。
政府の経済運営に関して言えば、日本はフィリピンにさえ劣っているのかもしれない。
【参考】世界経済のネタ帳

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