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アロヨ大統領は10月23日、大統領令839号でルソン地域の燃料価格を10月15日の水準で凍結する命令を発令した。これは台風16号と17号の災害に対する非常事態宣言と価格統制令に付随するもので、被害地域での燃料価格高騰を抑制することを目的としている。
しかし、石油価格は国際市場で決まることから、石油販売各社はこの大統領令に従う限り、石油の国際価格とフィリピンで凍結された市場価格の差額分の損失を生む可能性がある。そこで、石油の輸入販売を停止することにより、政府への抗議の姿勢を示しているのが今回のマニラでの燃料不足の原因だ。
これに対し、政府の中からは、石油会社の施設を接収して、政府が独自に石油の輸入販売を行うべきだとの意見や、国有の石油会社であるフィリピン国家石油会社(Philippine National Oil Co)が不足分を輸入・販売すべきだとの意見もでているが、最も影響を受けるのはマニラのジプニードライバーなどだろう。ディーゼル燃料の販売がストップすれば、ジプニーの営業はできない。運転手は日銭で生活しているから、一日営業ができないだけで生活が直撃される。また、燃料販売の停止が長引けば、一般の流通にも大きな影響がでる。フィリピン各地からの流通がストップすれば、マニラは一気に食料不足に陥り、大混乱が起こることは避けられない。
今回の石油価格統制令について言えば、政府が石油販売会社に価格統制を義務付ける一方で、国際価格との差額分を補填するなどの措置が一切ないことが問題だろう。私企業は損失を生んでまで輸入・販売を続けることはできないからだ。
現在、政府は台風被害地域への非常事態宣言とそれに伴う価格統制令を継続する必要があるかどうかを検討している。
【参考】Take over oil industry, senators urge Arroyo

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