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フィリピン英会話ネット
2009年12月18日

フィリピンのインフレターゲット政策

フィリピン中央銀行(Bangko Sentral ng Pilipinas:BSP)は12月16日、経済の成長を加速するため、政策金利を低金利に維持することを発表した。

「政策金利決定会合の決定は現在の金融政策が適切であるとの判断に基づいて行われた。政策金利の据え置きはさらなる投資と借り入れを促進するだろう。」と中央銀行総裁アマンド・テタンコJr.(Amando Tetango Jr.)氏は、会合の後に述べた。

2008年12月から2009年7月まで、中央銀行は翌日物政策金利を歴史的低水準である4%-6%に引き下げている。

この低水準の政策金利は市中銀行の貸出金利を低下させる効果があり、貸し出しを増加させることに貢献する。金融当局はこの低金利が消費と投資を促進し、経済成長を加速させる助けになるだろうと語った。

さらに、現段階では、金利の上昇は経済の回復を阻害するため、中央銀行がこの低金利政策を反転させる要因は存在しないと述べた。

中央銀行の試算によると、今年のインフレ率は平均3.3%であり、来年は4%になると予測されている。これは、政府のターゲット・レンジである2.5-4.5%(今年)、3.5-5.5%(来年)に収まるものと考えられる。

テタンコ総裁は「インフレは許容レベルにあり、インフレ率が政府のターゲット・レンジに収まる限り、中央銀行は低金利政策を維持する」と述べた。

【出典】BSP keeps key rates low

Bangko Sentral ng Pilipinas.jpg
フィリピン中央銀行(BSP)

上の記事の通り、フィリピンではインフレターゲット政策(Inflation-targeting Policy)が採用されており、消費者物価指数(CPI)を指標として政策金利が決定されている。

フィリピンのインフレ・ターゲット政策は、政府の開発予算調整委員会(Development Budget Coordinating Committee :DBCC)が消費者物価指数(CPI)を基準として2年先までの目標インフレ率を定め、中央銀行(BSP)が目標インフレ率を宣言、目標達成のための金融政策について完全な決定権を持ち、実施するというものだ。インフレ目標には即時性の高さからCPIが使用されているものの、中央銀行はコアCPIも参考にする。

DBCCは国家経済開発庁(National Economic and Development Authority)に設けられた委員会であり、財務省長官(Department of Budget and Management)を委員長とし、NEDA長官を副委員長、金融省長官(Department of Finace)および中央銀行総裁を委員とした4省庁の長官で構成される政府委員会。ここでは国家のマクロ経済指標の目標が設定され、それを達成するための政府支出額と配分、そしてインフレ目標についての検討を行い、大統領に答申する役割を持つ。

【参考】Measurement of Inflation and the Philippine Monetary Policy Framework
www.bsp.gov.ph/downloads/EcoNews/EN09-04.pdf

Philippine Peso.jpg
フィリピン・ペソ

以上のように、フィリピンではインフレ率が許容レベルを超えて上昇しないよう、そして、目標値以下に落ち込まないように2002年からインフレ・目標政策が採用・実施されている。その際、インフレ目標を定めるのは政府(中央銀行も委員として協議に参加)であり、目標達成するのは中央銀行であるという鉄則も守られている。

世界でインフレ目標政策が採用されている国(2006年時点)はハンガリー 、スロバキア 、コロンビア 、チェコ共和国 、グアテマラ 、ペルー 、ルーマニア 、セルビア 、タイ 、オーストラリア 、ブラジル 、カナダ 、チリ 、アイスランド 、イスラエル 、韓国 、メキシコ 、ニュージーランド 、ノルウェー 、フィリピン 、ポーランド 、南アフリカ共和国 、スウェーデン 、トルコ共和国 、イギリス と、先進国、旧共産主義国、北欧諸国、そして途上国と多く、EUもインフレ参照値2%未満として実質的なインタゲ政策を採用していると見ることができる。

そうすると、インタゲを採用していないのは、OECD諸国の中では日本とアメリカだけということになり、なおかつ、アメリカはデフレ退治に躍起となるFRBのバーナンキ議長により大幅な金融量的緩和政策が実施されていることは周知の通りだ。

こうした各国の中央銀行と日本銀行(日銀)の政策の違いが、日本だけこの17年間、少しも経済成長していない(「日本経済 過去20年の推移」「日本とフィリピンのGDP推移」)という事態を生み出したのだろう。

【参考】各国のインフレ目標政策とその効果DeLTA Function


posted by philnews at 12:33 | Comment(5) | TrackBack(0) | フィリピン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
突然のコメント失礼します。
新しくサイトを作ったのですが、もしよろしければ、相互リンクしていただきたいと思い、コメントさせていただきました。
http://art.link-z.net/rand/link/register
こちらから、登録する形になっているのですが、していただけましたら幸いです。
よろしくお願いします。
ご迷惑でしたら申し訳ございません。vrv
Posted by rand at 2009年12月18日 20:13
日本の場合、こ十数年物価(コアCPI)が下落している一方で、金利はゼロ以下にできないという状況で、マネーサプライを緩めたり締めたりして十分に流動性を供給できていない。すなわち実質的には金融引き締めをしていることになってしまっている。このまま生産性の向上がなく、人口増もないという無策状況が続けば、経済は枯れ死んでしまう。

流動性の供給を早急に大幅に増やすべきだと思います。
Posted by max at 2009年12月18日 22:44
はじめまして 長谷川と申します。
神奈川県&時々、sucatに住んでます。

BeeTube・ビーチューブ ( http://beezknees.blog12.fc2.com/ )というブログの管理人です。

フィリピンの日常を通じて、日々感じたことを書き綴ろうとこのたびブログに初めて挑戦します。



フィリピン関連ブログにありがちな夜遊びムフフ系のブログは先輩方に任し、まじめで中身の濃いブログにしていきたいと思っており、貴ブログのような読み物として楽しめて、書き手の想いが伝わってくるようなサイトを手本に頑張りたいと思ってます。

もしよろしかったら、これを機に相互リンクしていただけたら嬉しいです。

なお、勝手ながら当サイトにて貴ブログへのリンクをすでにはらせていただきました。

もし、ご迷惑であればすぐに削除いたしますので、その際は御一報いただけますようお願い申し上げます 。

季節がら、ご多忙の毎日をお過ごしとお察いたします。どうかご自愛され、楽しいPASCOをお迎えになられますようお祈りいたします。

では^^
Posted by hachi at 2009年12月20日 07:00
hachiさん

はじめまして。相互リンクのお誘い、ありがとうございます。

当サイトからも貴ブログへのリンク貼らせていただきました。

今後ともよろしくお願いいたします。
Posted by philnews at 2009年12月21日 15:41
maxさん

まさにおっしゃる通りですね。
日銀は最近ようやく「2%以下のインフレが望ましい」などと言っておりますが、具体的に長期国債の買いオペをするわけでもなく、腰の引けた対応が続いています。2%以下といわず、「2-4%のインフレを目指して、それまで毎月3兆円分の長期国債を買い取る」とでも宣言すれば状況は一変すると思います。
Posted by philnews at 2009年12月21日 15:47
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