夏の参議院選挙を前に新党・政治団体が乱立し始めた。昨年(2009年)からだけ見ても
舛添新党(2010年:自民から分裂)
日本創新党(2010年:首長新党)
大阪維新の会(2010年:橋下大阪府知事)
たちあがれ日本(2010年:自民から分裂)
みんなの党(2009年:自民から分裂)
となる。
90年代の新党乱立
90年代前半にも新党さきがけ、新生党、自由党などが自民党から分裂・結成され、93年には日本新党・細川護煕を首相とする非自民8党派連立内閣が誕生、55年体制の崩壊と言われた。その後、これら新党の多くは新進党・(旧)民主党に再編され、今の民主党となった。
そもそも自民党は思想や政策で一致した集団というよりは、政権の座にあることによる利害関係によって結びついていた政党だ。それが政権交代で共通の利益が失われたことにより結集力を失ったことが今回の新党乱立の直接の要因だろう。
一方の民主党も閣僚内でさえ政策や意見の一致が見られず、議員の出身政党も55年体制にまで遡れば自民党、社会党、民社党、社民連と様々である。つまり、こちらも思想や政策で一致しているわけではない。

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政党間の違いがなくなった
55年体制とは自民党と社会党が2大政党として存在し、その他、民社党、共産党、公明党などの野党がひしめき合う中、自民党長期単独政権が成立していた時代である。当時は冷戦構造があったことから、思想・政策面での各党の違いや、各政党の支持団体は今よりはっきりしていた。それが、現在のように自民党と、旧自民党議員を中心とした民主党という2大政党が中心となったことにより、そもそもの政党間の思想・政策の違いははっきりとしなくなった。
最近は民主党の支持率が目に見えて下落していることから、次の選挙で民主党は確実に議席数を減らすだろう。かといって、自民党の支持率が回復しているわけでもない。また、浮動票の増加により、明確な支持団体を以前ほどには必要としなくなっているのかもしれない。とはいっても、今回の分裂・新党乱立は90年代と違い、どの新政党も極少数の議員によって構成されている。つまり、90年代のような大掛かりな変化は起きそうにもない。
めざすのは亀井氏のポジション?
各政党とも、現在の亀井・国民新党のように、少数政党でありながら重要な閣僚ポストを与えられ、好き放題に活動できる。そんなポジションを狙っているのかもしれない。