主題はNPA(新人民軍)についてではなく、電子機器に集まるアリをそう表現したものなのだが、実は筆者もアリによる被害は数多くある。これまでPC(パソコン)のキーボードやラジカセ、そして目覚まし時計の中にアリの巣を作られ壊された。一番怖い思いをしたのは、部屋の電気スイッチの裏に巣を作られ、それが原因で回路がショートしたときだった。こればかりは下手をすると火事になっていたかもしれない。

photo by viamoi
電子機器に集まる蟻(アリ)
アリのことはずっと気になっていたのだが、これを機会に少し調べてみた。するとアリによるパソコン被害などは東南アジアに居住する人たちのブログでチラホラ報告されている(蟻が、蟻が・・・ 蟻が!!!
)(SOS! パソコンからアリが大量発生)そして、どうやら一番詳しい専門家による記事(サイト)を見つけることができたので、紹介したい。
昭和50年前後に西日本を中心に、鉄道の信号機の故障が多発し、列車の運行に重大な支障が起きたことがありました。信号機を作動させ る装置は線路脇に設置されていて、中にリレー装置があり、信号電流に応じて信号燈を点滅するようになっています。この装置の中にルリアリが入り込み、リ レーが下がった時に挟まれて潰れ、信号電流が流れなくなったために生じた故障でした。(アリQ&A Q20-3)
記事を読むと、日本でも昔から野外に設置された鉄道の信号機、公衆電話、そして時計などが度々アリの被害に遭っていた事が紹介してある。その仕組みはというと
電子機器を搭載した精密機械の中にアリが住みついて、アリの出す食べかすや分泌物のために電子回路が破壊されたり、機械の部 品の間にアリが挟まって電流が通りにくくなったり、部品が機能しなくなったために生じた故障(アリQ&A Q20-3)
だということだ。
アリがパソコンに巣を作る
そして電子機器の中にアリが住み着く理由は
このような電子機器の故障の原因になるアリは、ほとんどの場合ヒメアリとルリアリです。これらのアリは、自然状態では関東以南の温暖 な地方の人家の周りにある枯草や枯れ枝の茎に小さな穴を開けて巣にしていますが、家の中にも入り込む性質があります。一昔前までは、家に入っても壁と柱の 隙間などに巣を作る程度でしたが、最近急速に電子機器が小形化して一般家庭に普及したため、アリの格好の住みかになったようです。(アリQ&A Q20-3)
とある。つまり、どうやらアリは餌を目当てに集まってきているわけではなく、まさに巣を作る目的で最初からやって来るようだ。但し、単に巣にするだけかというと、そうでもなく「部品の潤滑油として植物性のひまし油などを 使用している場合、それはアリの好物なので、アリを引きつける働きがあります」(アリQ&A Q20-3)とのことだ。しかし、そもそもどうやってあれだけ多くのアリがPCをはじめとする電子機器へ集まるのかと言うと
これらのアリは、普段家の中に斥候アリがウロウロしていて、巣に都合の良い場所を探しています。その内の1匹がたまたま巣として絶好 の場所を探し当てると、そのアリはお尻から道しるべになる臭い物質を出して巣まで戻ります。すると仲間のアリ達がその臭いの道をたどって一斉に新しい巣に 引っ越してきます。引っ越しにかかる時間は、数時間かせいぜい一晩です!(アリQ&A Q20-3)
斥候部隊!これはまさにNPA(新人民軍)じゃないか!!(笑
記事からすると、どうやらフィリピンで多くの電子製品に被害を与えているのはヒメアリの仲間だと推察できる。対策としては「アリに一度取りつかれたら打つ手はありません。大事なことは、電子機器に侵入されないようにあらかじめ対策をたてることです」とあるので、本当、どこまでもNPAだなあと「フィリピンの日々」の記事のネーミングに敬服した。
【参考】
日本産アリ類画像データベース アリQ&Aコーナー