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フィリピン英会話ネット
2015年06月01日

フィリピンの自転車事情

フィリピンに、特にマニラ首都圏に滞在してしばらくすると気づくのは、日本と比べて自転車をあまり見かけないことだ。国民全員が自動車やオートバイを買えるほど裕福なわけではないのに、それより安いはずの自転車もそれほど普及していない。そして庶民の足はバス、ジプニー、トライシクルといった公共交通機関である。大通りに沿った長距離移動はバス(一部LRTやMRTのような軽量高架鉄道)、車で30分以内の距離ならジプニー、そして、ジプニーを降りて家まではトライシクルと言った具合だ。

bike1.jpg

目的地が歩いて20分程度の距離ならば、自転車に乗ってしまえば5分で着きそうなものだ。しかし、これくらいの距離だと歩くことはまれでトライシクルに乗ってしまう。それだけで往復で何十ペソかがかかる。

マニラ首都圏で自転車が普及しない8つの理由


ではどうしてマニラでは自転車が普及しないのだろう?その理由を思いつくままに挙げてみる。

1. 一般道路は自動車が我が物顔で飛ばしているので自転車が走れない。
2. 歩道(側道)は自動車が駐車して塞いでいるので通れない。
3. EDSA大通りのような大きな道には信号や横断歩道がないため、横断するためには数キロおきにある歩道橋を使うしかないが、その際、自転車を担がなければいけない。
4. せっかく自転車に乗って目的地であるスーパーやお店に到着しても、自転車を止めるスペースがない。
5. 自転車に鍵を付けても、鍵を壊されるか担いでそのまま盗まれる。
6. 自転車本体が盗まれなくても、放置している間に付属部品が盗まれる。
7. 乾季は暑いので自転車を漕ぐと汗だくになる。
8. 乾季は良くても雨季はびしょ濡れになるので自転車は不便である。

少し挙げてみただけでも、どうやらマニラでは自転車に乗れる条件が整っていないと言える。とくに3番目のEDSA大通りが横ぎれないというのは深刻で、それこそ車体重量が20キロを超えるようなママチャリは歩道橋を担げるわけもなく、自転車は大通りに囲まれた狭い範囲の移動手段としてしか用をなさなくなる。

これが田舎へ行くと、それなりに自転車は使われていて、特に、村の高校生あたりが通学のために乗っている風景をよく見る。地方では車もそれほど多くないし、通行を妨げる大通りもない。すると購入費用以外にはお金の掛からない自転車が十分魅力的な交通手段となるのだ。

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ちなみに、フィリピンでポピュラーな自転車の種類はマウンテンバイクである。日本で見かけるシティサイクル(いわゆるママチャリ)や、ロードバイク、そして最近流行りのクロスバイクはほとんど見かけない(ママチャリは日本の中古車が輸入されて安価?で売られている)。舗装されていない田舎の道や、舗装されていても凸凹の多いマニラ首都圏では、頑丈なマウンテンバイクが合っているのだろう。

マニラ首都圏の主な自転車レーン


一方、マニラにも自転車を普及させようとする人たちはいるようで、街中に自転車レーンを設置する動きもある。自転車は渋滞を緩和し、環境に優しく、健康にも良いと考えられるからだ。具体的には以下の6つの自転車レーンがその主要なものである。

- Ortigas to Santolan along EDSA northbound (2.105K)
- White Plains from EDSA to Temple Drive in Quezon City (982.6 meters)
- Marcos Highway from Evangelista Street to Sumulong Highway in Marikina City (9.14K)
- Magallanes to Ayala Avenue along EDSA in Makati City (1K)
- Commonwealth Avenue from University Avenue to Tandang Sora in Quezon City (2.92K)
- Marikina Bike Lanes

この他、フィリピン大学ディリマン校構内やアテネオ大学マニラ校構内にも自転車レーンが設置されている。但し、上に挙げた自転車レーンの多くも、自転車専用道を新たに設置しているわけではなく、あくまでもこれまで歩道として利用されていた大通りの側道の一部を赤く塗って自転車レーンとしているだけだったりする。そのため、実際に自転車レーンを走ろうとしても歩行者を避けて走る必要があるため、結局はこれまでと同じく自動車道を走り続ける自転車利用者も多い。

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マニラに自転車が普及する条件


さきほどマニラに自転車が普及しない8つの理由を挙げたが、これらは1.道路及び歩道橋の整備状況 2.パーキングスペースの整備状況 3.盗難の防止状況 4.気候の問題 の4つにまとめられる。もちろん、公共交通機関や自家用車と自転車の購入・維持費用との損得勘定といった経済条件もこれに加えられる。

これらのうち、気候条件は操作不能なので考察の対象からはずすとして、政策的に操作可能なのは1〜3である。また、盗難防止はいまのところ困難であるので、人為的に整えられるのは道路及び歩道橋の整備とパーキングスペースの整備の2つということになる。その中でも短期的に実施可能で効果が高いのは、歩道橋への自転車用スロープの設置であろう。自転車で走っていて目の前を大通りに遮られると、もう、そこから先へは行けず途方に暮れる。この状況を改善することこそが、まず第一に必要なことだと思えるのだ。

このように、日本では普通に乗りなれている「自転車」ひとつとっても、それを日常的に利用できることは極めて経済的、社会的、インフラ的な様々な条件が整った上で初めて可能となっていると言えるのではないだろうか?

【参考】
The Bicycle Diary:Inquirer
Pedal to the metal: Are we really ready for the bike lanes that have sprouted around the metro?
posted by philnews at 16:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | フィリピン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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