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フィリピン英会話ネット
2009年10月12日

フィリピン台風16号 日本政府が4億円の緊急無償資金協力


日本政府は9日、フィリピンのマニラ首都圏を中心とする台風16号による洪水被害に対する緊急支援として、国連世界食糧計画(WFP)を通じ、総額450万ドル(約4億円)の緊急無償資金協力をおこなうことを発表した。これは国連からの支援要請に応えたもの。

支援は、約67万人の被災者を対象として、緊急に必要としている食糧を援助することを目的としている。今回の決定に先立ち、日本政府は他国に先駆けて9月30日にフィリピン政府に対し、約2000万円相当のスリーピングマットや毛布などの緊急援助物資の供与を実施していた。

フィリピンに対する緊急無償資金協力としては、最近では、2006年11月30日に上陸し、ビコール地方を中心にルソン島南部に甚大な被害をもたらした台風21号(現地名:レミン)による被災者に対して100万ドル(当時:1億1000万円)の緊急無償資金協力を実施したが、今回の緊急無償資金協力(4億円)はそれよりもずっと大きい。

現地のメディアでも日本からの援助についてはトップ扱いで伝えられている。
日本政府は台風被災者救援のために450万ドル(2億1000万ペソ)を世界食糧計画(WFP)を通して供与した。これは台風16号(現地名:オンドイ)が9月26日に襲来した後、国防相が国際社会への支援を求めて以来、最大の支援となる。

Typhoon-battered RP appeals for int’l help

これまでに表明・実施された日本以外からの国際支援としては以下のものがあげられる

ユニセフ 300万ドル
スペイン 200万ドル
オーストラリア 170万ドル

国連ではフィリピンの台風16号被災者に対し総額7400万ドル(約67億円)の支援を呼びかけている。

以下は外務省プレスリリースからの転載。

フィリピン共和国における台風被害(我が国からの緊急無償資金協力)

平成21年10月9日

1. 我が国政府は、10月9日(金曜日)、フィリピンのマニラ首都圏を中心とする台風16号による洪水被害に対する緊急支援として、国連世界食糧計画(WFP)を通じ、総額450万ドルの緊急無償資金協力を実施することとしました。
2. 今次支援は、約67万人の被災者を対象として、緊急に必要としている食糧を援助することを目的とするものです。
3. 我が国としては、今回の災害によりもたらされた甚大な被害および我が国とフィリピン共和国の友好関係に鑑み、緊急無償資金協力を行うこととしたものです。
4. 我が国は、今回の決定に先立ち、9月30日(水)にフィリピン共和国政府に対し、約2,000万円相当の緊急援助物資(スリーピングマット、毛布等)の供与を実施しています。

【参考】
(1)台風16号による被害状況(5日午前4時時点の国家災害調整評議会発表。)
(イ)死者:295名
(ロ)行方不明者:39名
(ハ)被災者:392万9,030名
(ニ)家屋の倒壊:1万203棟(全壊4,270棟、半壊5,933棟)
(ホ)避難所(526か所)への避難者:33万5,740名
(ヘ)被災地域からの避難者(上記(5)以外):70万6,963名

(2)今次支援の詳細
3日、国連がフラッシュアピールを正式発表し、総額約7,400万米ドル(約67億円)の支援を要請したことに鑑み、以下のWFPのプロジェクトに対し450万米ドルの支援を行う。
実施期間:1か月
裨益者:67万人
支援内容:避難所で生活する被災民および、水浸しの家に取り残された人々に対し、米を配給。また人員および食糧等の援助物資を輸送するための航空サービスの運営を行う。
プロジェクト全体額:2,630万米ドル
(食糧援助:1,970万米ドル、ロジスティックスおよび通信支援:2万7,000米ドル、航空サービス:390万米ドル)

(3)今次被害に関し、9月28日、岡田外務大臣よりフィリピン共和国のロムロ外務長官に対し、日本国政府及び日本国民を代表して、亡くなられた多 数の犠牲者の遺族の方々への哀悼の意を表するとともに、被災者の方々の速やかな回復と復興を祈念するお見舞いメッセージを発出済。

【出典】外務省プレスリリース


posted by philnews at 01:45 | Comment(3) | TrackBack(2) | フィリピン台風・洪水 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2009年10月09日

マニラ大洪水 人災の可能性


9月26日にフィリピンへ上陸した台風16号は、マニラ首都圏および周辺地域に豪雨をもたらし、甚大な被害を及ぼしたことについては、このブログの中で伝えてきた。また、マニラの洪水防止対策については、これまで日本政府が力を入れてきた援助分野であったことも伝えた。

今回は、この日本政府による洪水対策について、信じられないニュースである。

10億ペソの洪水警報システム 無駄に終わる(ABS-CBN News)

公共事業省(DPWH)からメトロマニラ開発庁(MMDA)への移管に伴い、高価な洪水警報システムが使われずに放置されてきたことがわかった。運用されていれば、警報システムは台風16号によってもたらされたマニラ首都圏の洪水被害を軽減していた可能性がある。

ABS-CBNの取材によると、洪水警報システムは日本政府からの11億ペソ(22億円)相当の援助によるもので、これが単なる無視、軽視により運用されていなかった。

プロジェクトの初期のスタッフは、パッシグ、マリキナ、ラグナ湖周辺での洪水を軽減し、犠牲者を最小限に食い止められたかもしれないこのシステムの運用中止は、MMDA長官バヤニ・フェルナンド(Bayani Fernando)によるものだと語った。

マニラ首都圏洪水警報システムは効果的洪水調整運用システム(Effective Flood Control Operation System :EFCOS)として公共事業省の事業として実施された。プロジェクトはパッシグ、マリキナ、ラグナ湖周辺地域の洪水の効果的な調整を目的として、マニラ首都圏洪水防止計画の2本柱のひとつとして実施された。マンガハン放水路とナピンダン水門の建設である。これには雨量測定所と水量観測所の設置、およびネットワークの中心的役割を果たすロザリオ中央コントロールステーションの建設も含まれていた。

EFCOSは2つのフェーズからなり、第一フェーズは1992年に完了し、日本から6億ペソの借款が行われた。アンチポロ市とモンタルバン町の雨量測定所および9つの水位観測所がロザリオ水門とともに設置された。雨量測定所と水位観測所のデータはロザリオ中央コントロールステーションに送られるようになっていた。

データに基づいて、監督官庁がパッシグ川水系の水位上昇に関する情報を得ることが出来、警告することができるようになっていた。また、システムはロザリオ水門の開閉を通じて、水をラグナ湖に流し込むか、マンガハン放水路へ流すかを判断する情報も提供するものだった。マンガハン放水路はマリキナ川下流およびパッシグ川の洪水を軽減するようにデザインされていた。

第2フェーズは日本の国際協力機構(JICA)からの総額5億ペソの無償援助により2001年に完了した。このフェーズではアンチポロ市、リサール州、サンマテオ町、ケソン市、パッシグ市にそれぞれ雨量測定所を設け、水位観測所も増設し、マニラ首都圏の各自治体に通信システムを設置、情報伝達を改善する事業が行われた。マンガハン放水路には遠隔操作できる9つの警報塔が設置され、周辺住民への警報を行えるようになっていた。

DPWH関係者によれば、EFCOSプロジェクトは2002年にMMDAに移管された。これはフェルナンドMMDA長官自身が大統領に掛け合って実現したものである。EFCOSの全職員もMMDAへ異動した。

しかし、2006年からはEFCOSはデータ収集も情報伝達も中止している。そして2008年5月には予算不足を理由に運転が全面停止された。関係者によると、これはフェルナンド長官により、システムの維持・管理コストが成果に見合わないと判断されたためだという。このため、全ての洪水警報設備が機能しないこととなった。

MMDAの技術部長は現在でもいくつかの雨量測定所および水位観測所は稼動中だと語った。しかし、いくつかの設備は予算が支出できないため維持管理されていないと認めた。

水位観測所の修繕のためには日本製の部品が必要で、一基50万ペソ(100万円)必要だが、これは現実的ではないと語った。部長によるとEFCOSの設備はすでに旧式のものなので、修繕を行っても得られる利益は小さいだろうと語った。

しかし、DPWHの水利技術者は「雨量測定所と水位監視所から送られてくるデータは、橋のデザインや洪水防止のためには必要不可欠なものである」と語った。フィリピン気象庁の関係者は「ロザリオ中央事務所から送られてくる雨量計と水位計のデータは、洪水警報発令のための基礎データとなり、災害軽減に役立つものだ」と述べた。しかし彼女によると、気象庁はここ数年、EFCOSプロジェクトからの情報提供を得られていないと付け加えた。

【出典】P1-B flood warning system wasted due to neglect

まさか、日本政府によるマニラ首都圏洪水対策事業の中でも中心的存在の一つだった洪水警報システムが、フィリピン政府自身の手によって運用中止されていたとは思いませんでした(関係者の方はご存知だったのでしょうか?)。

これは、あきれる、怒りを通り越して、どう表現すれば良いのでしょう?

さて、9月28日の台風16号 日本の新聞報道比較の中で「日本人の被災情報を大使館も把握していないのではないか?」という論旨のことを書きましたが、ネットを見ていると、日本人の中にも大変な被災をされた方がいることがわかりました。

台風ONDOYがもたらしたもの

政府の責任者がしっかりしていないと、せっかくのシステムさえ身を守ってくれない。これは日本でも、フィリピンでも同じなのでしょう。今回のマニラの大洪水に関しては、専門家の方による詳細な原因調査と再発防止策が検討されることを望みます。
posted by philnews at 23:32 | Comment(0) | TrackBack(2) | フィリピン台風・洪水 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2009年10月05日

日本のメディアはどう伝えたか


9月26日にフィリピンに上陸した台風16号による被害は国家災害調整委員会(NDCC)の10月4日の発表によると以下のとおり

被災者数 797,404家族 3,899,307人
避難所内避難者数   64,975家族  317,660人
避難所外避難者数 128,800家族 664,748人
避難所数 515
死者数 288人
負傷者数 5人
不明者数 42人

【出典】National Disaster Coordinating Council (NDCC)

現在は、全国515避難所および被災地で、被災者にたいする緊急援助が行われている。

本ブログでは台風上陸以来、一貫して現地メディアやフィリピン政府により伝えられる情報を元にして情報を発信してきたが、ここで、日本のメディアは今回の台風被害をどのように伝えたか?について再び検証してみたい。(各社の第一報の比較記事は台風16号 日本の新聞報道比較

結論から言うと、秀逸だったのは毎日新聞矢野純一記者によって配信される記事だった。毎日新聞は9月27日 20時35分に第一報を配信、28日には被災現場へ入り、その様子を克明に描写している。

フィリピン:川沿いの200軒、濁流に…豪雨で被災の町

【タナイ(フィリピン中部)矢野純一】台風16号による豪雨被害を受けたフィリピンで、最も多い70人の犠牲者が出た中部リサール州タナイ町に28日、 入った。

山あいの盆地にあるタンダンクチョ集落では、中心部を流れる川沿いに並んでいた200軒ほどの家が濁流にのみ込まれ、幅100メートルにわたって 折れたココナツやバナナの幹だけが残っていた。

国軍などが捜索活動に当たっているが、依然20人以上が行方不明になっている。(後略)


毎日新聞の記事は、現地の客観的な状況と、被災者の心境、それに洪水で家を流され、家族を失ったときの様子が、まるで映像化されているかのように浮かび上がる描写となっている。


また読売新聞も9月27日21時37分 に第一報を配信、9月29日には稲垣収一記者が被災地を訪ね台風被害と不法居住の問題をリンクさせて論じる記事を配信した。

不法居住を台風直撃、比の死者・不明280人超

【マニラ=稲垣収一】フィリピン・ルソン島を直撃した台風16号による豪雨災害は、29日の政府発表で死者・行方不明者数が280人以上に膨れ上がり、マニラ首都圏に記録的被害をもたらした。

犠牲者には、川沿いに不法居住する貧困層が多く、首都圏が抱える問題を浮き彫りにした。

「今も信じられない」──マニラ首都圏ケソン市で、12人家族のうち弟(30)ら5人を失ったアンドリアナ・トアンさん(33)は泣きはらしていた。(後略)


今回の台風16号によりもたらされた大洪水では、読売新聞が伝えるとおり、川沿いに住むスクウォッターに大きな被害が出た。また、記事にもあるとおり、「政府は住宅を提供して移住させる方針を打ち出しているが、住民の反対も根強く、対策は追いつかない。」というのも事実である。実際、マニラの洪水対策については、日本政府も力を入れてきた分野であり、今回被害の大きかったマリキナ川の洪水対策などもその一つだった。しかし、その度に、住民を組織化したNGOによる反対運動にあい、毎回工事が大幅に遅延してきた。

ちなみに、記事では「不法居住」と明記してあるが、実のところ、居住が「不法」であるかどうかは疑わしい。なぜなら、フィリピンには「公用地への居住」を禁止する法律がないのである。正確には1997年に共和国法8368号により、それまで公用地の占拠を禁止していたマルコス時代の大統領令772号を廃棄し、無効化させたのである。だから、現在マニラの人口の3割を占めるといわれるスクウォッターは法律に違反しておらず、選挙権をもち、様々な行政サービスも一般住民と同じく受けている。

以上、今回の台風16号の被害について比較的扱いの大きかった毎日新聞と読売新聞について見てきたが、それ以外のメディアについては、特に見るべきところはない。それくらいに扱いが小さかったのだ。

フィリピンにとって日本は、アメリカに次ぐ貿易相手国でもあり、シェアで見て約15%を占める非常に大きな存在なのだが、日本から見れば、18番目。シェアで見ると輸出額の1.3%を占めるに過ぎない。この違いがメディアでの扱いの小ささに現れたのではないかとも考えられる。
posted by philnews at 21:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | フィリピン台風・洪水 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2009年09月30日

フィリピン 台風16号  被災地マップ(地図)



台風16号被害状況:国家災害調整委員会(NDCC)9月30日午前6時発表

被災者数 373,675家族  2,254,915人
避難所内避難者数 78,892家族  389,616人
避難所外避難者数 63,989家族  346,581人
死亡者 246人
不明者 42人
負傷者 5人
救出者数 31333家族 73,892人

【出典】National Disaster Coordinating Council(NDCC)

これはGoogle Mapを利用した、台風16号の被災地マップ(地図)である。情報はネットユーザーがラジオ、テレビ、インターネットなどの様々な情報をもとにマッピングしたものである。


View Typhoon Ondoy Situation Map for Metro Manila in a larger map

この被災地マップからわかるとおり、今回の台風16号の洪水による被災者は首都圏マニラ東部を流れるマリキナ川周辺、特に、川が蛇行するあたりに集中していることがわかる。この地域は今回の台風16号で最も被害が大きかったと見られるマリキナ市、リサール州カインタ町が含まれている(地図左の+マークをクリックしてMapを拡大するとよくわかります)。
posted by philnews at 18:11 | Comment(4) | TrackBack(0) | フィリピン台風・洪水 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2009年09月29日

日本赤十字社 フィリピン台風被害への救援金を受付開始

日本赤十字社が今回の台風16号によるフィリピンの被災者のための救援金受付を開始した。

赤十字は「人道・公平・中立・独立・奉仕・単一・世界性」という7つの普遍的な原則(赤十字の基本原則)のもとに、世界最大のネットワークを持って活動する人道機関で、フィリピンの中でも最も大規模かつ組織的に災害緊急援助を行っている団体である。

今回の台風16号に対してもフィリピン赤十字社は、マニラ首都圏の特に被害の大きいリサール州、マンダルヨン市、バレンズエラ市、パッシグ市などで、行き場を失った人々 を救助するため、12艘のゴムボートに分乗した21の水害捜索・救助チームを派遣しており、24時間体制で活動している。また、32,000世帯を収容するための165カ所の避難所を立ち上げ、政府の補助機関として重要な役割を果たしている。

これまで日本赤十字はフィリピン赤十字からの支援要請を待ち、待機していたようだが、正式なGOサインが出たようだ。

詳細、救援金の寄付については日本赤十字社のサイトへどうぞ。
http://www.jrc.or.jp/kokusai/news/l4/Vcms4_00001289.html

また、先ほど紹介したAMDAでも募金を受け付けている。AMDAは相互扶助の精神に基づき、災害や紛争発生時、医療・保健衛生分野を中心に緊急人道支援活動を展開している日本のNGOで、世界30ヵ国にある支部のネットワークを活かし、多国籍医師団を結成して緊急援助を実施している。

AMDAも医療・人道支援分野で実績のあるNGOだ。今回の台風16号による被災者支援についても、筆者の知るかぎり、日本の中で一番最初に支援活動を開始した。

AMDAの詳細、支援についてはこちらのサイトへどうぞ。
http://amda.or.jp/articlelist/n50.html
posted by philnews at 22:48 | Comment(4) | TrackBack(0) | フィリピン台風・洪水 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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