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フィリピン英会話ネット
2009年09月28日

台風16号 日本の新聞報道比較

今回の台風16号によるマニラの洪水被害の状況が、日本でどのように伝えられているのか、日本のテレビが見れないのでわからない。そこでとりあえず、ネットで確認できる新聞社の記事をいくつか比較してみた。

時事通信(9月27日20時28分配信)
記録的豪雨で73人死亡=過去40年で最悪、5万9000人避難−比

【マニラ時事】フィリピンの首都マニラなどを26日に襲った熱帯低気圧による記録的豪雨で、国家災害対策本部は27日、マニラやその近郊で73人が死亡したことを明らかにした。洪水による家屋浸水などで5万9000人以上が避難、約34万人の生活に影響が出た。
 26日の豪雨は、マニラの1日の降雨量としては1967年以降で最大を記録。インクワイアラー紙(電子版)によれば、浸水が高さ5メートルに達する場所もあった。広範囲で停電が発生し、交通が寸断されるなど首都圏の都市機能がまひした。
 政府はマニラ首都圏とその近郊の州が災害状態にあると宣言し、救助活動を急いでいるが、犠牲者はさらに増える恐れがある。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090927-00000080-jij-int

時事通信によると「約34万人の生活に影響が出た」らしいが、これは「今わかっているだけで、34万人が住む家を失った」のであり、「生活に影響が出た」程度の人間は数百万人に上るだろう。これはフィリピン政府の用いる「Affected Person」を被災者と訳さずに、「生活に影響が出た」と直訳したためだろう。また、マニラを襲ったのは台風ではなく「熱帯低気圧」とされているが、これも気象庁の発表によると「26日午前9時ごろフィリピンのルソン島の東で熱帯低気圧が台風16号に変わりました。」とあるので、マニラを襲ったのは「台風16号」である。

毎日新聞(9月27日20時35分配信)
<フィリピン>ルソン島で豪雨 73人が死亡、23人不明に

【マニラ矢野純一】フィリピン・ルソン島で26日から熱帯低気圧による豪雨があり、比政府は27日、マニラ首都圏や周辺地域で少なくとも73人が川に流されるなどして死亡したと発表した。行方不明者は23人に上り、犠牲者の数はさらに増えるとみられる。

 政府はルソン島を中心に国家災害事態を宣言。国軍によると、マニラ首都圏近郊のリサール州タナイ町では、川がはんらんし、30人が死亡するなど同州だけで計42人が死亡した。マニラ首都圏と同州を中心に約30万人が家を失ったという。

 マニラ首都圏では26日には全域の約80%が冠水。大規模な停電も発生し、都市機能はまひ状態となった。27日になり、水が引き始めたが依然、25%が冠水している。

 国軍がボートやヘリコプターで、水没した住宅の屋根などに避難した住民の救出作業を続けている。複数の地域で土砂崩れが起きているとの情報もある。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090927-00000045-mai-int

毎日新聞でも、豪雨をもたらしたのは「熱帯低気圧」らしい。しかし、その他の部分については「約30万人が家を失った」「マニラ首都圏では全域の約80%が冠水」「都市機能が麻痺」「27日にも依然25%が冠水」など正確に状況を把握しており、国軍による住民の救出の様子なども描かれていて、被災地の状況が目に浮かぶものとなっている。

読売新聞(9月27日15時52分配信)
台風16号、比で73人死亡・23人不明
【マニラ=稲垣収一】フィリピンの国家災害対策本部は27日、同国北部を通過した台風16号の影響により首都マニラ周辺各地で洪水や土砂崩れが発生し、少なくとも73人が死亡、23人が行方不明になったと発表した。

 軍や警察は、濁流に流された住民らの救助活動を続けているが、犠牲者はさらに増える恐れがある。

 台風は26日朝から27日未明にかけてルソン島中部を横断し、マニラは1日あたりの降水量が過去40年余りで最多となる記録的な豪雨に見舞われた。

 周辺では、河川の氾濫(はんらん)による家屋の流失や道路の冠水が相次ぎ、高速道路や空港などの交通網が寸断されたほか、停電も続いた。家屋の浸水などで避難所に逃れた住民は約6万人、被災者数は約34万人にのぼっている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090927-00000415-yom-int

読売新聞は無難に、間違いもなく、発表された情報を整理している印象を受ける。ただ、もう一歩踏み込んだ記述も欲しかった。

朝日新聞(2009年9月27日20時50分配信)
フィリピン、台風直撃で73人死亡 被災30万人か

【バンコク=山本大輔】フィリピンのルソン島で26日、台風16号の直撃による豪雨があり、首都マニラや周辺地域で洪水が起きている。政府による と、27日夕までに73人が死亡、23人が行方不明となった。浸水や地滑りが各地で発生し、被災者は30万人にのぼっているという。日本政府筋によると、 これまでに日本人の死者・行方不明者の情報はない。
 死者の多くは首都圏近郊や周辺地域で出たが、首都圏でも全体の4分の1の地区が冠水。送電線や電話線が切断されるなど市民生活に大きな影響が出ている。マニラでは26日朝からの9時間で416ミリの降雨を記録し、1967年以来の豪雨となった。
http://www.asahi.com/international/update
/0927/TKY200909270131.html

前回のエントリーで指摘した朝日新聞の記事である。この「首都圏でも全体の4分の1の地区が冠水」という記述。これだけでもう、現地にいる人間から見るとなんだかなあである。ここは毎日新聞が記述したように、台風の当日(26日)は約80%、「27日にも依然25%が冠水」が正しい。それから「日本政府筋によると、 これまでに日本人の死者・行方不明者の情報はない」という部分であるが、これ、別に日本政府筋は在留届けを出している人に対しても何の連絡も取っていないし、メールでの呼びかけ等も行っていない。 だから、日本政府筋も報道機関かフィリピン政府が情報を発表(提供)するまで、日本人の情報なんてわからないのではないだろうか?と思う(被災者本人が救援要請したり、報告を入れれば別)。


とりあえず、4社の新聞報道を比較してみたところ、毎日新聞の報道が最も正確で、なおかつ、描写が優れているように感じられた。しかし、どの新聞社も多くて10行程度の記事に過ぎず、扱いが小さいんだなあと思った。フィリピンにとっては首都を直撃した歴史的な大水害なのに。今回は比較の対象としていないが、唯一、別格で詳細な記事を配信しつづけているのが、AFPBBNewsである。日本の新聞各社にも下の記事を参考にしてほしい。

そういえば、日本ではニュースにさえならなかった5月9日にルソン島を襲った台風2号の記事を唯一写真取材していたのもAFPBBNewsだった。海外メディアと国内メディアのスタンスの違いだろうか?

いずれにしても、フィリピン政府発表の数字は今回の台風(洪水)で最も被害の大きかったマリキナ市(人口46万人)の被災者数がカウントされていないので、被災者数は今後数倍に膨らむ可能性がある。


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2009年09月27日

マニラ洪水 地域別被災者数(27日18時時点)



マニラ洪水 地域別被災者数(27日18時時点)

マニラ首都圏
マンダルヨン市 1,321家族 6,605人
マニラ市 940家族  4,700人
マリキナ市 136家族  636人
モンティンルパ市 923家族 4,615人
ナボタス市 26家族 135人
パラニャーケ市 450家族  2,250人
パッシグ市 919家族 4,595人
パテロス市 205家族 1,178人
ケソン市 280 家族 1,400人
タギグ市 1,535家族  7,675人

リージョンIII
バターン州 8家族 30人
ブラカン州 24,301 家族116,499人
パンパンガ州 10,645 家族 42,985人
ヌエバエシハ州 450家族 1,710人

リージョンIV
バタンガス州 3,802 家族 17,991人
ラグナ州 17,317家族  93,167人
リサール州 5,109家族  25,315人

リージョンV
南カマリネス州 1,146家族  5,730人

合計 69,513家族  337,216人

注1:被災者数は避難の必要な者の数
注2:マニラ首都圏については、避難所収容数

【出典】National Disaster Coordinating Council (NDCC)


さて、上がNDCC(国家災害調整委員会)が発表し、メディアで伝えられている被災者数だが、そもそも、被災者数を「避難の必要な者」に限定していること、および、マニラ首都圏については「避難所に収容された者」の人数しか計算していないので、伝えられている被災者数30万人という数字は驚くほど少なく見積もられているといえる。

また、先のエントリーでも述べたとおり、被害の最も大きい地域であるマリキナ市(人口46万人)の被災者数が636人に過ぎないことからもわかるとおり、被害の大きな地域ほど、被災者数が把握されていない。

そして何よりも、マニラで少し雨が降っただけでも洪水となることで有名なカラオカン市、マラボン町、そしてバネンズエラ市の3地域が、「被災者数30万人」という政府の発表資料には名前さえ含まれていないのだ。それなのに、報道では「カラオカン市の80-90%が水に沈んだ」という表現さえある。これら3地域の被災者数を合わせると、どれだけの人数になることだろうか?

このことから、これらの数字は目安としても、あまりにも小さく見積もられた数字であるということができる。
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フィリピン・マニラの洪水 9月27日20時更新

9月26日(土)にフィリピンへ上陸した台風16号(現地名:Ondoy)のもたらした豪雨により、マニラ首都圏全域(85%)が冠水するなど、歴史的大規模な被害が発生している。


9月27日午後6時発表分(国家災害調整委員会)

NDCC(国家災害調整委員会)では被害の大きかったマリキナ市、パッシグ市、ケソン市、リサール州カインタ町に前線本部を設置し、救援復興活動を行っている。

救援にあたっているのは国軍、国家警察、消防局、マニラ開発庁および各自治体である。これらの活動によりこれまでに5594人が救出された。

これまでに報告された被災者数は以下の通り

死者:73人
不明者:23人
負傷者:4人
被災者数:69,513 家族 / 337,216 人(注:避難の必要な者の数)
避難者数:11,967 家族 / 59,521人
避難所数:118箇所

ただし、これらは報告があった数に過ぎず、全体像は依然として明らかになっていない。例えば、今回最も被害が大きな地域であるマリキナ市については被災者数が636人しか報告されておらず、これはマニラ首都圏の中でも2番目に少ない報告数となっている。この原因は、被害が大きな地域ほど、被害状況が把握できていないことを示している。今後、被災者数は何倍にも膨れ上がることも予想される。

政府はルソン島を中心に7地域27州およびマニラ首都圏に非常事態宣言を発令した。また、それに合わせて商品の値上げを禁止する措置をとった。

27日午後6時現在で、マリキナ市、パッシグ市、リサール州カインタ町では水が引いていない地域が多く存在し、未だに屋根の上に一時避難したままの住民が多数存在する(すでに24時間以上経過)。

【出典】National Disaster Coordinating Council (NDCC)

追記:ところで、朝日新聞はどうしてしまったのだろう?一日経った27日の20時50分になって、初めてこの洪水についての記事を掲載したが、たった7行の記事を、それもバンコクから発信している。その上、記事中ではマニラの4分の一が冠水したと書いてあるが、現地の報道では8割が冠水したとある。4分の一が冠水したのは1日経って、水の引いた27日の話である。朝日新聞はどうしてしまったのだろう?

フィリピン、台風直撃で73人死亡 被災30万人か
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台風16号で記録的豪雨 マニラ全域が洪水 フィリピン


9月26日に上陸した台風16号(現地名:Ondoy)はマニラ首都圏に豪雨をもたらした。雨量は降り始めからの6時間で341mm を記録、これは9月一月分の平均月間雨量391.7mmにも匹敵するものだった。これまでマニラで記録された豪雨は1967年6月の24時間で334mmだったので、今回の雨量は40年ぶりに、それを上回る記録的豪雨となった。

豪雨はマニラ各地に洪水をもたらした。特に、リサール州、マリキナ市、ケソン市、モンテルパ市などでの被害が報告されているが、今回の被害は、これらの地域に限られず、マニラ全域にわたる模様。

マニラの主要道路もことごとく冠水し、交通は麻痺した。また多くの地域で、停電、断水等が続出している。

26日、政府のレスキュー活動(国軍)は一部の地域を除いて出動できなかった。基地から災害エリアへと向かう交通手段が寸断されていたため、救援連絡を受けても出動できなかったとのことだ。アロヨ大統領はマニラ首都圏とルソン地域20州に緊急事態宣言を発令した。


筆者の家も一階部分が40cm浸水した。

浸水が始まったのが午前11時頃。

まず、念のために、1階にある電化製品のコンセントを抜き、一つずつ2階へ運び上げた。オーディオ関係のケーブルを外すのに手間取った。

その後、急激(15分くらいのうち)に水位が高くなり、プロパンガスのタンクがプカプカと浮かぶ。「危ないなー」と思いながら、タンクを高い位置へ移動。

12時頃、家の中は最高水位40cmに達した。

その後、雨が弱くなり、水も引いていったのだが、1時間ほどして再び雨が強くなった。今度は、ドアの隙間にビニール袋などを大量に詰めてシーリング。案外、これが役に立ち、水は浸入してきたがさっきほどではない。窓から覗くと、ドアの外は水位が30cmはある。この時点で、家の前の道路は激流となっている。

もう、できることはやったので、2階でテレビをつけながら、ネットで情報収集。まだ、ほとんど情報は発信されていない。それにしても、これだけの状況なのに、テレビではかまわずにABS-CBNはWowoweeを、GMAはEat Bulagaを放送している。どちらもお昼のエンターテインメント番組だ。これには、あきれたというよりも、怒りに近い感情を覚えた。

そして午後3時、停電。全ての情報から遮断され、何もすることなし。電池式のAMラジオと懐中電灯は必需品だとつくづく思う。


今日(27日)は筆者の住む地域は電気・ネットも復旧し、テレビ局も一転、朝から特別番組を組み、被災者への募金を呼びかけている。思うに昨日は、全ての道路が冠水し、テレビ局も移動手段がなかったのだろう(と好意的に解釈)。

台風16号での被害者は死者51人、不明者21人(27日11時時点)。ただし、まだ被害の全体像はつかめていない。

追記:その後の報道で降雨量は9時間で410.9mmと発表されました。例えば日本の平均年間雨量は1700mmですから、その4分の一の雨が9時間で降ったことになります。マニラ全域に410mm=41cmの水の層ができたということです。

【参考】(UPDATE 3) 'Ondoy' leaves dozens dead
    Too much rain too soon



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2009年05月10日

ちょうどその頃、台風2号が



ちょうど、この合同災害訓練が行われている頃に、フィリピンを台風2号が直撃し、パンガシナン州を中心に甚大な被害をもたらした。

訓練としてでなく、実際に出動するべきだったんじゃないかと思う。
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