国立感染症研究所は30日、25日までの1週間に全国約5千の定点医療機関から報告されたインフルエンザ患者数は11万8570人、1機関当たり24.62人で、前週(8万4976人、17.65人)より増加したと発表した。患者の大半は新型インフルエンザとみられる。この1週間に受診した新たな患者数は推計約114万人(前週約83万人)に上り、7月上旬(6日)以降の累計は431万人となった。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/living/health/318718/
一方、フィリピンでは保健省(Department of Health:DOH)のH1N1情報ページの更新も7月9日を最後に止まっており、正確な情報収集が行われているとは思えない状況だ。そのため、10月26日付けの新聞「Inquirer」に掲載された記事では
「保健省長官によると、4月から10月までに報告された新型インフルエンザ患者数は5212件となり、そのうち30名が死亡した」と報道されている。
日本で累計患者数が400万人を超えているのに、フィリピンでの累計患者数が5000人程度なんてありえるのだろうか?フィリピンでは7月1日付けの患者数が1709人、それが今回5212人と3倍に増加しているが、その間、日本の患者数は7月24日に5000人、そして10月30日に431万人と800倍、指数関数的に増加している。
アメリカのオバマ大統領が緊急事態宣言を発したことにより、世界中が新型インフルエンザ(H1N1)の大流行に警戒を強めているが、フィリピン保健省長官は「フィリピンでは新型インフルエンザを封じ込め、軽減し、監視する保健システムが働いているので、心配することはない」と語った。また、長官は世界保健機構(WHO)から2億円相当、10万人分のワクチンの無償供与を受ける契約に署名したことを付け加えた。
このように、発表されているデータではフィリピンの新型インフルエンザの流行は抑えられているとのことだが、どうも本当だとは思えない。例えば、こちらのフィリピン在住の方ブログでもご本人が新型インフルエンザになり、入院された様子が描かれている。
http://ameblo.jp/palikero/theme-10016823708.html
保健省長官が語るように、本当にフィリピンでは新型インフルエンザの流行が抑えられているならそれに越したことはないが、単に、情報収集を怠っているだけだとしたら、これからも十分に気をつけなくてはいけない。
【参考】A(H1N1) cases hit 5,212
パリケロの比律賓夜遊び日記