クルーグマンはアメリカの経済学者で昨年のノーベル経済学賞受賞者だ。日本の90年代の不況について、日本が「流動性の罠」に嵌っていると警告した。 流動性の罠とは、貯蓄と投資のバランスする利子率がマイナスに突入している状態を指す。つまり、金利がゼロでも人々がお金を借りようとしない状態だ。
そうすると、もう、政府がどんなにゼロ金利政策を採ろうが、マネーを供給しようが、お金は動いてくれず、結果、経済は回復しない。つまり、金融政策が無効となる、怖い状況なのだ。
90年代の日本はこれに嵌っていた。
流動性の罠に嵌っている経済は、人々が「物の値段はもっと下がる」(デフレ)と期待している経済だ。デフレ期待を持つと、人々は消費などせず、将来、もっと安くなった時点で物を買おうと貯蓄をする。だから、ますます消費は冷え込み、投資は抑制され、経済は縮小していく。
これを解決するために必要なのは人々が「今買わなきゃ損」と思えるようなインフレ期待を持つことだ。同じ製品(例えばマンション)が来年はもっと高くなると思えば、ローンを組んででも今買おうとするだろう。そういう状況を作り出すためには、いわゆるインフレターゲット、又はリフレ政策が必要になる。
但し、日本は結局、そうした政策は採用しなかった。そして、90年代どころか、2000年以降も景気の回復はみられず、サブプライム・バブルに支えられたアメリカへの輸出の増大と、労働力の非正規雇用化による実質的な賃金カットによってなんとか乗り切ったように見えたのだ。
だけど、見ての通り、昨年のサブプライムショックでアメリカのバブルが弾け、海外に市場を失った日本は、また、どん底の状態にある。
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