昨日のつづき
フィリピンの場合、原油価格の高騰で一番影響を受けるのはタクシーの運転手だ。
フィリピンではタクシーは運転手が所有者から一日幾らで借りるという形をとっている。これをバウンダリー・システムと呼ぶが、これは車を1000台所有する大きなタクシー会社でも、数台しか所有しない個人経営でも同じだ。
運転手は売り上げから、まず、一日(24時間)の借り賃を支払わなくてはならない。そして、燃料代も運転手持ちだ。
一日の売り上げ(運賃の合計額)がだいたいP3000あったとして、そこから借り賃をP1200-1400払う(金額は固定、会社によって異なる)。残りはP1800−1600あるが、さらにここから燃料代を引く。その残りが運転手の取り分となるのだ。
燃料代がP800で済めば手元にはP1000−800残るが、燃料代にP1500かかれば手元にはP300−100しか残らない。
24時間制の場合、1日働いて1日休むというサイクルだから、実質2日分の稼ぎを得る必要がある。現在のマニラの最低賃金はP400なので、一日運転したらP800は欲しいところだ。しかし、燃料価格が高騰していた昨年などは、一日運転してP300しか手元に残らないという状況が生まれていた。
タクシー料金は陸運統制委員会(LTFRB)が決定しているので、その間、タクシー料金を値上げすれば、運転手は助かるはずだったのだが、結局、値上げは行われなかった。
昨年までの原油価格の高騰のつけは、乗客にも、タクシー会社にも及ぶことなく、運転手が一手に引き受けていたことになる。
注:P1(ペソ)は約2円。
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