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2009年08月28日

消費者物価2.2%下落 デフレです

今さっき、7月の失業率が戦後最悪の5.7%を記録したという記事を
アップしたところなのだが、次は、消費者物価が2・2%下落したと
いう記事である。

消費者物価2.2%下落=マイナス幅、3カ月連続最大−7月(時事通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090828-00000027-jij-bus_all

これ、普通に考えて、デフレでしょう。

デフレとは物価が持続的に下落していく経済現象を指し、総需要が総供給を下回ることが原因で起こる。マネーサプライの減少もデフレの原因となる。

経済全体で、供給過多、需要不足が起こって、物価が低下する。商品価格が低下すると、生産者の利益が減り、利益が減った分だけ従業員の賃金が低下する。また企業の利益が減ると雇用を保持する余力が低下するので失業者が増える。従業員と家族は減った賃金で生活をやりくりしようとするため、あまり商品を買えなくなる(購買力の低下)。その結果商品は売れなくなり、生産者は商品価格を引き下げなければならなくなる。(Wikipedia)

つまり、デフレは、デフレ・スパイラルを巻き起こし、さらなる経済活動の下落を誘発する。以前、与謝野財務・金融・経済財政担当相が「デフレスパイラルに陥らないように、デフレがもたらす失業率の増大、物価の下落、経済の収縮、われわれとしてはそういう状態、経済の底抜け状態を絶対に防ぐ、デフレというものは到来しないと確信しながら補正予算を作成した」と発言していたのだが、どこからどう見ても、今の日本経済はデフレ、それもデフレ・スパイラルなのである。

デフレを止められるのは、政府と日銀なのだが、そのトップが今の日本経済をデフレじゃないと考えてしまっていることで、適切な政策が発動されず、不況から抜け出せないのが、今の、日本なのだ。
posted by philnews at 12:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

若年層(男)の完全失業率 12%!(日本)


総務省の発表によると、日本の失業率は7月も引き続き悪化し、5.7%となった。これは6月の5.4%と比べ、0.3ポイントの悪化であると同時に、戦後最悪・過去最高の失業率となった。7月の就業者数は6270万人と18ヶ月連続の減少で、1年前に比べ136万人減少となった。また、7月の完全失業者数は359万人と1年前に比べ103万人増加、これは9か月連続の増加である。

なお、完全失業率は男性6.1%、女性5.1%と男性の方が高く、また、年齢別では15-24歳で9.9%、25-34歳で7.1%、45-54歳で4.0%となっており、若年層ほど失業率が高い。

雇用者数は前年同月比で製造業が約10%減少した一方で、医療・福祉分野では約5%の増加が見られた。これは、製造業等での失業者が、介護・福祉の分野へ転職したことを示している。


厚生労働省による完全失業率の定義は以下の3つの条件を全て満たしたものとされている;

@仕事がなくて調査週間中に少しも仕事をしなかった
A仕事があればすぐ就くことができる
B調査週間中に,仕事を探す活動や事業を始める準備をしていた

調査期間中に1日でもアルバイトをしたものは完全失業者には含まれない。また、仕事がなくても、求職活動をしていないものは「無職」ではあっても、失業者とはカウントされていない。完全失業率にカウントされるのは「求職者」であることが条件なのだ。

つまり、あまりにも労働市場が厳しく、就業をあきらめてしまった「無職者」はこの完全失業率の数字にはカウントされないので、実際の「失業率」または「無職率」は公表される完全失業率の1.5倍程度にはなると考えられる。もちろん、これらの数字の中に学生(就学者)は最初から含まれていない。

以上のことを考えると、若年層の完全失業率が異常なほどに高いことがわかる。15-24歳の9.9%は高校と大学の新卒者が含まれる年齢層だし、25-34歳は「失われた10年」により就職がかなわなかったロスト・ジェネレーションだ。ちなみに、15-24歳の男に限れば、完全失業率は12%に達する。もちろん、学生もニートも含まずにだ。

新卒の段階で就職できなかったものは正規労働者(正社員)として雇用されることが難しい日本社会で、すでに若年層の完全失業者がこれだけ存在することの問題は、どれだけ強調しても、強調しすぎにはあたらない。少子化も問題ではあるが、それ以前に、今生きている若い世代が、そして10-20年後には確実に日本の中心的な労働力として日本を支えなくてはならない世代が、今、「求職しても職がなく、週に1日の仕事もなかった、完全失業者」なのだ。こんな状態で結婚し、子供を産み、育てることなど想像すらできないだろう。

今の日本を、そして将来の日本のことを考えるならば、まずは、この若年層に対する雇用対策を徹底して行うことが真っ先にきておかしくない。もちろん、そのためにこそ経済対策が必要なのだが。


【参考】
労働力調査(基本集計) 平成21年7月分(速報)結果(総務省)
posted by philnews at 12:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2009年08月22日

総選挙: 各党の経済政策


日本は8月30日投票の衆議院議員総選挙の真っ只中にある。各党のマニフェスト(選挙公約)を読んで、経済政策を比較しようと思ったのだが、失敗した。

今回の選挙、なんと、経済政策は争点になっていないのだ。

その代わりに争点のひとつになっているのが、政府の無駄遣いだったり、財源・消費税である。各党ともに「徹底的に無駄を省く」とか「埋蔵金を財源に充てる」とか「増税には反対」とか「責任をもって将来的に増税を行う」などと述べている。また、メディアでは「高速道路の無料化の是非」が論じられていたりする。

やっぱり、ずれている。

政府の無駄を省くことは「当然」なことであり、そもそも争点にはならない。その上、無駄を省いたところで、そのことと経済成長・不況からの脱出とは別問題だ。子供手当ての増額、教育の無料化による家計の可処分所得の引き上げだって、大枠では「減税」の一部に過ぎない。

今の日本が置かれている状況は、世界同時不況の中にあり、この不況からどうやって抜け出すのか?だろう。不況から抜け出すことに失敗すれば、失業問題は解決されず、賃金は上昇せず、企業は倒産し、迫り来る高齢者問題には対処できず、子供の教育に充てる財源も確保できず、この15年で拡大した貧富の格差は解消しない。もちろん、国民一人ひとりの豊かな生活を求めることなど不可能だ。

つまり、一番大きなところは、まずもって「経済対策」なのだ。

物事には順番があり、その大元となっている部分、一番大きなところから見て行かないと何事も解決しない。世界同時不況に巻き込まれた日本の現状からすれば、一番の問題は、引き続き「経済」なのだ。「子供」「教育」「高速道路」などは、どれも「経済」の良し悪しに左右されてしまう。そうした意味で、まず、経済をどのように立て直すかの方策を議論すること。これが絶対に必要なことだ。しかし、今回の選挙では、経済についてはほとんど論じられていない。「公務員の天下りを禁止します」だとか、「公共事業の無駄をなくします」というのは、どれも国民の「妬み」の感情に訴えかけるためのもので、本当に国をどうしていくのかという議論ではない。

まず「経済のパイ」をどうやって増やすか?を議論しないとダメだし、そもそも「パイ」が増えないと考えているとしたら、その時点で退場願うほうが良いだろう。

ところで、経済が選挙の争点にならない理由のひとつは、与党も野党も経済についての議論は5月末に通過した15兆円の補正予算で一区切りついたと考えているのだろう。その上、GDPがプラスに転じたという報道もあったことだし、日本経済はとりあえず、一息ついたと考えているのかもしれない。

そんな、本当は一番重要な「雇用・経済」の項目をマニフェストの一番最後にもってきて、選挙演説では税金の無駄づかいと天下りの根絶に焦点を置いているような政党が、どうやら政権与党になってしまうようだから、日本経済は今後4年間、回復しないということになるのかもしれない。

クルーグマンのような優秀な人物をアドバイザーに迎えるなら別だが。

【参考】情報BOX:自民党と民主党のマニフェスト比較
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090818-00000563-reu-bus_all

【追記】経済史学者 田中秀臣のブログ「Economics Lovers Live」にこの話題に関連する記事が書かれています。
宮崎哲弥・飯田泰之・河合正弘・小此木潔「経済・メディア衆論」
posted by philnews at 01:00 | Comment(1) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2009年08月20日

日本の経済政策


日本のGDPが5四半期ぶりにプラスに転じたということだ。4-6月期の実質GDP成長率(季節調整済み)で前期比0.9%増、年率換算で3.7%増となった。

今回のGDPの回復は輸出の回復、定額給付金、新車購入補助金、そして公共投資(政府支出)の増大が効果をあらわしたといえる。但し、景気を回復軌道に乗せ、経済を持続的に成長させるためには、それを可能とする政策が必要とされる。

本来、景気を良くして、不況から脱出するのはそう難しいことではない。以前にも書いたがGDPとは

GDP = 消費 + 投資 + 政府支出 + 輸出 - 輸入

だ。

まず、消費と投資(と輸出)の落ち込みによりGDPがマイナスになっているのだから、これを政府支出で補うこと。

そして、消費・投資を回復させるためには、金融緩和を行い、マネーが市場に出回るようにすること。

とりあえず、必要なのはこれだけである。


今回の政府による財政支出は補正予算15兆円という規模であり、これがGDPに計上されること、そしてそのうち3700億円の自動車補助金は、自動車の買い替えを促し、消費刺激に成功した。規模が十分であるかどうかという議論はあるが、基本的方向は正しい。

但し、財源を国債で賄っているので、市場からはその分だけのマネーが、一旦、吸い上げられたことになる(支出された段階で市場に戻るが、マネーの供給量はプラスマイナスゼロ)。これでは市場金利を高める要因となるので、財政政策を発動すると同時に、日銀による金融緩和(市場へのマネーの供給)が発動される必要がある。政府が市場で売却した国債を、日銀が市場から購入すればベストだ。

また、前回も論じたように、人々が長期的な不況やデフレを予測している場合には、新たな投資や消費を喚起することができないから、将来のインフレを予測してもらう必要がある。そのために、インフレが起こるまで、日本銀行は金融緩和を持続することを約束する必要がある。これをリフレ政策という。

以上のように、大雑把には 財政出動+金融緩和 に 将来のインフレ期待を合わせれば、景気は回復するだろう。非常に簡単な話なのだが、日本はバブル崩壊後の「失われた10年」、そして今回の世界同時不況の中、この政策を採用していない。財政出動も、金融緩和もあまりにも規模が小さく、持続的な経済成長を促すことには程遠いものだった。

これから何回かにわたり、日本の経済政策について論じてみたい。

【参考】岩田規久男「世界同時不況」 (ちくま新書)

GDP成長率 年率換算3.7%増 5四半期ぶりプラス(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090817-00000003-maip-bus_all
posted by philnews at 21:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2009年07月31日

フィリピンの失業率

失業率悪化5・4%…求人最悪の0・43倍

総務省の発表によると、日本の失業率は6月も悪化し、5.4%となったとのことだ。6月の就業者数は6300万人と1年前に比べ151万人減少、完全失業者数は348万人と1年前に比べ83万人増加。完全失業者数は8か月連続の増加となった。

昨年(2008年)のリーマン・ショック発生以前の日本の失業率は4%だったから、それから1.4%上昇したことになる。たったの1.4%と考える方もいるかもしれないが、日本では失業率が1%上昇するだけで、失業者が約60万人生まれる。例えば、身近に失業者が一人いて、その人を就業させるためには大変な努力が必要となるが、それが、たった1%の失業率の増加で60万倍の努力が必要となるのである。失業率1%の違いというのは重いのだ。

以前、与謝野財務・金融・経済財政担当相は「デフレがもたらす失業率の増大、物価の下落、経済の収縮、われわれとしてはそういう状態、経済の底抜け状態を絶対に防ぐ、デフレというものは到来しないと確信しながら補正予算を作成した」と発言していたが、それ以降も失業率は上昇し、物価指数は下落を続けている。これをデフレと呼ばずして何をデフレと呼ぶのだろう?

ちなみにフィリピンの失業率は政府発表で7.5%(4月)、民間調査機関(SWS)発表で34.2%(2月)である。SWS発表の統計が異常に高い値を示しているのだが、これはフィリピン各地での1200人を対象とした聞き取り調査の結果だということなので、統計的には疑問のある数値だ。ここでは、少なくともフィリピンの失業率は日本よりも高いということが確認できれば良い。

しかし、フィリピンの失業は日本ほど深刻ではない。それは、皆が当たり前に失業しているからだ。フィリピンの場合、失業しても、ごく普通に、親兄弟、親戚縁者のもとに同居し、家事や家業を手伝ってしのいでいる。また、一旦失業しても、企業の側が雇用を拡大すれば、簡単に再就職することができる。つまり、雇用の流動性も高いと言える。

一方、失業は日本にとってのほうが深刻だ。なぜなら、一般的に、日本では失業したからといって、親兄弟、親戚を頼ることができないうえに、一度失業すると、次の仕事を見つけるハードルは極端に高くなる。

日本はソーシャル・セキュリティがそれなりに発達しているから、失業しても失業保険が一定期間支払われたり、各自、保険に加入するなりしてなんとかしのいでいる感がある。一方、フィリピンは、そもそもそうしたセーフティーネットが発達していないので、全ては親兄弟、親戚という血縁によるセーフティーネットを確保し、それが機能している。

フィリピンで失業が深刻でないというのは、政府や社会がそもそも信頼できないことの裏返しなのだ。
posted by philnews at 18:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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